広い空
□そして消えるアゲハ蝶
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いつもみたいに笑って、いつもみたいに話して
いつもみたいに戦って、いつもみたいに壊し続けた
なにも変わらない死との隣り合わせの生活
それでも
あいつがいればただ幸せだった
≪そして消えるアゲハ蝶≫
聳え立つ黒の教団本部
世界のために戦っている者たちが『家(ホーム)』と呼べる場所だ
何百人という者たちが戦い、息を引き取って行った
生き残った者たちが帰ってこれる場所
唯一笑って過ごせる場所
それは彼らも同じ・・・
「ア〜レン♪昼まだ?食堂行かね?」
「ラビ!もうそんな時間ですか?」
修練場でマリと組み手をやっているアレンに後ろからラビが飛びついてきた
巻き添えを食うかもしれないのにお構いなしに割り込んでくる
普通だったら巻き込まれてマリの拳が入るところだが、彼はラビの存在にすぐに気付き少し前に拳を下ろしていた
「もう何時間も続けてるからな・・・行ってきていいぞアレン。私は神田と組み手をしてくるから」
彼の気遣いでアレンはラビと一緒に食堂に行くことにした
その間ラビはずっとアレンにしがみついていたとか・・・
彼らは教団内公認のカップル
教団のマスコットキャラクター的存在だったリナリーを退いて人気1位になったアレン
そんなアレンが他の男に取られた時は周りの物のブーイングは計り知れないほどだったそうだ
しかし、ラビのアレンに向ける思いやアレンの幸せそうな顔を見たら認めざるおえなかった
そんな彼らは飽きもせず今でもラブラブといったところ
周りの者は二人を温かい目で見守っている
アレンの幸せそうな顔を見れるだけで腹が膨れるらしい
そして、この二人を見ることで『家』へ帰ってきたと実感ができるのだ
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