広い空
□選択
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神様なんてどうでもいい
僕はただ
自分の居ていい居場所が
欲しかっただけだった
≪選択≫
アレンは小さな部屋の中
ただ一人ではもったいないほどのベッドの上で座り込んでいた
何かをすることもなく
窓の外を眺めていた
外ではAKUMAが数体立っていた
「・・・イノセンス、いつまでも持ってても僕がつらいだけかな・・・」
アレンはベッドから冷たい床に足をつけた
そしてアレンはコートの中のイノセンスを手に取り見つめた
「(イノセンスって綺麗だな・・・、本当に僕の左手にも同じものがあるのかな・・・)」
アレンの手には自然と力が入る
―違う・・・僕の左手はこんな綺麗なものなんかじゃない
僕の左手はAKUMAの血を望んでいる
それこそ本当の悪魔だ
「神(イノセンス)なんて大っ嫌い・・・それを持つ僕自身も・・・」
アレンは幾度も自分のイノセンスを破壊しようとした
しかし、それは叶う事はなかった
自分にはノアにあるはずのイノセンスの破壊能力がない
千年公からもそれを禁じられている
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