広い空

□色を変えた黒アゲハ
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『どうして、貴方は仮面をかぶるの?』

オレがアイツと会ってまだ時間が経たないくろいの頃
その銀灰色の瞳をオレに向けて

アイツはそう言った


それからかもしれない

オレがあいつに惹かれ始めていたのは











フードを外した少女の姿に二人は目を見開いた
血のように赤い瞳、白磁の肌、腰まであるのではないかというロングヘアー
黒いワンピースが良く似合う

誰もが見とれてしまうかもしれないその容姿

しかし、何よりも驚愕したのは






左頬に刻まれた赤い傷、見慣れた白い髪






「もやし・・・!?」




どこをどう見ても、その姿は美しい少女
でも、わかる。神田が唯一そのあだ名で呼ぶ存在を





―アレン・・・?





ずっと探していた、やっと見つけた
今すぐ抱きしめたいのに

体が動かなくて、声が出せない



だって、神田が呼んだあだ名には首を傾げているから
さっき、自分たちに『はじめまして』と言ったから
何故か、ノアの・・・敵の隣に悠然と立っているから



「・・・私は、アレン。それが私の名前。」



姿が違う、一人称も違う。
でも、自分の中でどこか懐かしいと思っている



まるで、そこにいるみたいだった




『ラビッ!!』



花のように笑うアイツがオレを呼ぶ声が頭の中で木霊する

瓜二つの目の前の少女はその木霊さえ、かき消してくるかのように自分たちを見下していた




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