Basara
□学園BASARAE
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077(光秀と)
橙の日が差し込む時間帯に目が覚める。起き上がり、頭を掻いて窓の外を見る。射し込んでくる夕陽が鬱陶しいったらありませんね
しかし目覚まし代わりになるのは確かだ。私は立ち上がり、耳を澄ませる。騒がしい声が聞こえてきた
「起きたのね、光秀」
「……帰蝶、私の部屋を無断で開けるとは…」
ドアが開けられた事によって風が流れた。私は彼女のいるドアの方に体を向けた
「借宿のクセに、自分の部屋扱いしてるんじゃないわよ」
「おやおや、冷たいですねぇ」
おどけて言ってみるが、彼女は呆れた風に私を手招きしながら、
「夕飯だから呼びに来ただけよ」
そう言ってから彼女は踵を返し、先に行ってしまったのだった
「何だよ、真田に猿飛じゃねーか。何だかんだ言って二人共来たのか?」
「いや、もー成り行きっつーか…、でも良かった〜♪野宿にならなくて!」
「Oh…野宿ってなァ…、山籠りでもする気だったのかよ…」
「お館様がそう言われた故、某達もそうするつもりでござったのだ」
そんな会話を廊下でしていたのは長曾我部君と猿飛君と伊達君と真田君だった。私はニタリと笑うと、それに長曾我部君が気付いた。すると他の二人も気付き、こちらを見て嫌そうな顔をしだした
…やめて下さいよ、余計気分が良くなってしまうではないですか。いやはや、寝起きの良い遊び相手が見付かって良かった良かった
「これはこれは、仲良くしている様で何よりですよ、皆さん」
「ぬ、明智先生殿!」
今更気付いた真田君が礼儀良く頭を下げて挨拶をした。全くもって良い子ですね、真田君は…
「……いたんですか、明智先生…」
「信長公に誘われましてね。まぁ、毎年来てますけど」
誘われて…と言うより、くっついてきて…ですがね
「そう言えば、独眼竜」
「Ah?」
この場から去りたいと言わんばかりの彼の態度に笑い出したいのを堪えて、ゆったりと口を開く
「お探しのモノは、見付かりましたか?」
彼は目を細め、一瞬だけ真田君を見た後に「さあな」と呟いた
その時に長曾我部君がこっそりと溜息をつきながら、視線を何処かへやっていたのに気付いたのは私と猿飛君だけだった
「?何の話か…某には些か理解が出来ぬのだが「出来なくていーんだよ。Everybody goes(行くぞ)」
真田君を小突き、伊達君は食堂(と呼んでいる広間)の方へ歩きだした。その後ろを不思議そうに真田君がついていき、長曾我部君と猿飛君も黙ってついていく
「独眼竜、」
「何だよ、俺達は飯をだな…」
私は彼が言われたくないであろう言葉を、敢えて口にした
「貴方は私と同じですね」
彼は一瞥しただけで何も言わずに彼等を引き連れて去っていった
「……いや、あれは…貴方"タチ"…だったか……」
自身の欲を満たす為に、彼等はサガシ求めている
そう、その姿はまるで血に飢えた狩人の様だ
あぁ、恐ろしい…
(光秀と濃と政宗と元親と幸村と佐助)
同じ臭いを感じる者達
光秀視点は何でかシリアスになります
10.09.12