Basara
□学園BASARAE
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074(政宗と)
「あーぁ、つまんないだ!!」
そう叫んで腰を下ろしたのは近所に住むチビっ子いつき。さっきまでとはうって変わっての態度に、いつきの隣にいる蘭丸は呆れて物も言えなくなっているようだった
「Ha!チビ助はもうリタイアか?」
ニヤリと笑って虫取籠を見せる。俺の持つ虫取籠にはカブトムシやクワガタが入っている。ガキの頃に鍛えた虫取術をナメるなよ?
「そもそもおらは虫がそんなに好きな訳じゃないだよ」
「言い訳か?見苦しいぜ、いつき。何なら分けてやろーか?」
「違うだ!!虫もいらないだ!!」
ムスッとしているいつきをからかいながら頭を撫でてやる。そうすると更に睨み付けてくるから面白いモンだ。そんなんだからいつまで経っても子供扱いは抜けねェモンなんだぜ?You see?
すると、黙って本を読んでいた就が急に舌打ちをした
「来たか…」
「何が?」
蘭丸の問いには答えずに、眉間に皺を寄せて鬱陶しそうに就は左手の方を見た。舌打ちはどうやらこちらに向かってきている人物に向けてらしい
「おぅ〜い!こっちにいっぱいいたぜ、野郎共!!」
その人物…チカが大股で嬉しそうにこちらにやってきた
虫取網と、メチャメチャうるさい虫取籠を持って
「下衆、貴様は何故蝉を大量に捕まえてくるのだ!!うるさい事この上無いわ!!」
「何言ってんだよ、蝉の鳴き声っていいじゃねーか!!まるで合唱してるみてーだろ!?」
大声で言い合う二人。その間では、籠の中にいる蝉が忙しなく鳴いていた
あまりにもウッセーから蘭丸といつきは耳を塞ぐ始末だ
「チカ!!」
頭が痛くなるのを堪えながら、チカの方へ寄っていく。超音波ような蝉の鳴き声がガンガン響いてきた
「政宗、こいつに何とか言ってくれよ!!」
「そうだな」
そう言って俺は、チカの持つ大量の蝉の入った虫取籠を取り、端の方を"握り潰し"、そしてそこから穴を開けて投げ捨てた
「ギャァァァア!!」
俺が開けた穴から、蝉がどんどん飛んでいった
「これでいーだろ」
「フン」
「鬼!悪魔ァァァ!!」
俺の3時間分を返せとか言ってたが、誰も慰めには行かなかった
「っし、そろそろ帰るか」
チカを無視して皆の方へ向く。皆まだ耳鳴りが聞こえてくるらしく、眉間に皺を寄せて耳を軽く叩いていたりしていた
「そうだべな。でも、家康兄ちゃん達がいないだべさ」
そういつきが言うと、俺は「それなら…」と呟いてから蘭丸を見て笑った
蘭丸は嫌そうな顔を返した。だが知るか
使える奴は、使っとかねーと…だろ?
(政宗といつきと蘭丸と元就と元親)
ウチの筆頭はとにかく人使い粗いです
10.09.09