Basara
□学園BASARAA
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第二章 『春の球当て大会』
013(小十郎と)
「真田幸村?」
「Yes.担任の小十郎なら何か知らねぇかと思ってな」
早朝、急に政宗様はそうおっしゃられた。政宗様から他人について何か知らないか、と尋ねられるのは珍しい。人当たりが悪い訳ではないが、自分から興味をもたれるのが少ないお方なのだ
「…あの転入生がどうか……?」
まさか転入初日から政宗様に喧嘩を吹っかけやがったのか…?なら政宗様の右目として黙っちゃいられねぇ…!!
「Non-non.小十郎、逆だ。俺から吹っかけたんだよ。だからよ、んな怖い顔するなよ。Coolにいこうぜ」
廊下を歩いて部屋に入り、食卓につく。政宗様がパンにマーガリンを塗りながら話を続けられる
「…で、何か知らねぇか?出身とかよ」
「出身はここより東の地より。猿飛と同じ学校に通っていたとか…」
「そこで何か問題をおこしたとかは?」
「?さぁ…そこは校長に聞いてみないことには…」
「Ha…あの校長にねぇ…」
苦い顔をなされながらマーガリンパンに小豆餡を塗られる。僭越ながらも、俺がこしらえた餡だ
「それにしても…政宗様ご自身から喧嘩を吹っかけられるとは……。担任としては少々……」
「お前が担任じゃなかった時なんて無かったじゃねぇかよ」
勿論だ。小中高と政宗様をお守りするが為に、担任についてきたのだ。どうやってとか聞くなよ。色々あるんだよ
「骨がありそうだからな」
そうおっしゃられて政宗様はニヤリと笑われた
「Therefore, it fights even if what kind of hand is used.(だから、どんな手を使っても勝負する)」
「………全く、喧嘩早い貴方様には困りますよ。こちらの身にもなって下さい」
「…いや、お前には言われたくは無いがな」
何をおっしゃるのやら…
「わかりました。織田校長に聞けたら聞きます」
「Thank you.小十郎。頼むぜ」
まぁ結果は何となくわかるが…
「Breakfastは終わりだ!さて、Schoolに行くぞ、小十郎!」
しかし、あんなに学校に行かれるのに退屈そうだった政宗様が、今や楽しんでいるように見えるのは…
「はっ、政宗様」
好敵手かもしれない奴のお陰かもしれねぇな、と
そう思いながら俺はいつも通りスーツに腕を通し、政宗様を追った
(小十郎と政宗)
伊達家は和と洋が混ざりしお宅なんです(笑)
成実出しそこねた(ぇ)
09.07.09