Treasure

□いいとこさがし
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―キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン―


予鈴、か。


次は
ディストの物理だ。


..寝よう。

ディストの授業は
途中から必ず話がずれ、
ジェイドの話か、
ピオニー陛下の話になるから
俺は基本寝ている。



しかし
一応、教科書等の用意をする。




「あら?
アッシュ、次はHRですわよ。
ディスト先生に用事が出来た
みたいで時間割変更ですわ。」



「そうなのか、
ナタリア、すまない。」


「いいえ。」


机の中に
物理の用意をしまい、
担任であるヴァンを待つ。


周りからは

「えー、ディスちゃんの
物理なら寝れたのになぁ」

「HRって、ヴァンかよー」

というような声が聞こえる。



まぁ、
俺はどっちにしろ寝るがな。



しばらくして
ヴァンが教室に入って来た。



「はい、めんどくさいが
どっかの馬鹿のせいで
俺の授業になった。
で、この時間だが、
今からプリントを配るから
まずは見てくれ。」



前の席から
プリントがまわってきて、
俺も後ろにプリントをまわす。



プリントには

「クラス内での
あなたの印象はどんなでshow!」

と、ふざけた文面が
書いてあった。


その題名の下には
クラスのメンバーの名前が
出席番号順に並んでいて、
各メンバーの名前の横には
空白の枠があった。



「えー、
今日はクラスのメンバーの
良い所を1人ずつ
書いてもらおうと思う。
特に無し、なんて
書いちゃ駄目だからな。
後日、みんなの答えを
まとめた紙をみんなに
配ろうと思うから、
真剣に書くこと。
はい、でわー始め!」



寝よう。



「ちなみに、寝た奴には
屋上から好きな人の名前を
叫んでもらうぞ。

この時間に寝ていいのは
俺だけだ。」



ふざけるな。とは思ったが、
俺はペンを進めた。
公開告白なんて冗談じゃない。



だが改めてクラスのメンバーの事を書くのは...なんだ..あれだな...うん、あれだ。←



良い所...か。
なんだかんだ言っても
クラスの奴には感謝している。
良い所だって
たくさん思い浮かぶ。



ティアは
冷静な所。


ルークは馬鹿。
大丈夫。
馬鹿は風邪をひかないらしいから
馬鹿も良い所だ。



次は...ナタリア。


ナタリアは...

なんだ....

なぜかペンが進まない。


幼なじみか?
いや、婚約者?

それはナタリアの長所じゃなく
プロフィールだ。

ナタリアに対して
なかなか..まとまらない。



「ねぇ、ナタリア
私の事はなんて書いてくれたの?」


「ティアは...
思いやりがある。
と書きましたわ。」


「嬉しい!」


「ティアは、どのように
書いて下さったのですか?」


「責任感がある。よ。」


「ありがとう。」


「あれ?
アッシュの欄には
まだ書いてないのね。」


「えぇ、アッシュとは
長く一緒にいたので
思い浮かぶ事が多くて
なかなか纏まらないの。」
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