Basara
□御題挑戦@
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下駄箱にこっそりと(長政と)
「さて、帰るか」
平日の図書室での復習は私の日課となっている。復習をやらぬ者は悪だ。やらずに点が取れないとほざく者はもっと悪だ
鞄を持ち、下駄箱へ向かう。その間に落ちているゴミを拾っていく。ゴミを捨てるなんて、何て悪だ!見付けたら即、削除する!!
少しの苛立ちを押さえながらも私はゴミを拾い、下駄箱にあるゴミ箱に捨てる。勿論分別もする
「長政様……」
「!…何だ、市か」
振り返った先の下駄箱から、ぬっ…と出てきたので驚いた
市は俯いたまま、ぽつりぽつりと呟きだした
「…あのね…市は、途中まで…長政様と…「もうこんなに暗いじゃないか!送るぞ、市」
よくよく考えてこの時間はもう遅い。靴を取り出し、履いて市を見る
市は少々呆気にとられた様な顔をしていたが、小さく笑って頷いた
私は照れ臭くなり、ついそっぽを向いてしまう。だが言いたいことは伝えねば悪だ。私は口を開いた
「…遅い日は、図書室に来い」
それから放課後は毎日、二人で図書室に居る
下駄箱にこっそりと
Fin.
(長政と市)
09.06.12