Basara

□学園BASARAC
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第四章 『Lynching』





035(市と)










この前のお出かけの時、ゆっくりし過ぎて1時間も遅れてしまい「集合5分前行動をしろ」と長政様に怒られてしまったの。でも、それでも長政様は待っていてくれた。連絡してくれてもよかったのに…

市、凄く嬉しかった…


だから今日は早めにと家を出たら、集合1時間前についてしまった。あぁ、今度は早過ぎてしまったわ…。市は何をやってもダメなのね…

1時間を潰す為に歩こうかとも考えたけれど、それでまた遅れて怒られるのは悲しいし、長政様に嫌われたく無いから、動かずにいる事にしたの



「あれ?君、一人?」



すると、二人組のチャラチャラした男達が寄ってきたの



「よかったら俺達と一緒にお茶でも…「長政様を待ってるの…だから邪魔しないで……ね?」



そう市がお願いすると、彼等は「じゃ、じゃあ…次の機会に……」と言って居なくなってくれる


何回か同じ事を繰り返していると、長政様ではなく見覚えのある人がこちらへ向かって来ていた





あれは、前に長政様の言っていた『紅い敵』だわ……



「じゃ、手土産買ってくるから旦那はここで待っててね。旦那がついてくると、余計な物まで買っちゃうからさ〜」

「別に余計な物など…!………解った」



紅い人の友人がひと睨みすると、紅い人は何も言い返せずに了承した。友人はさっさと商店街の方へ歩いていったので、私は紅い人を見た


本当に、この人が長政様の敵なのかしら…………







「………何か、御用でござろうか?」



あぁ…いけない、眺め過ぎて紅い人に気付かれてしまったわ。これも全て市のせい…

気付かれてしまったのだから、市は聞きたい事を聞くことにしたの



「貴方…長政様を知ってる……の?」

「ながまさ…殿?」



紅い人は首を傾げて聞き返してきた



「そう、浅井長政様。貴方の、敵……」



すると、紅い人は反応した



「…彼の知人でござるのか?」

「えぇ……。小さい頃から一緒なの……」

「……そうでござるか。…確かに、浅井殿とは顔見知りではござる。あまり互いは知らぬ仲ではござるが。御本人からは聞いてはおらぬのか?」

「…市は、知らなくていいって…」



でも、長政様の事だから知りたいのに、市は知らなくてもいいって長政様は言うの…



「でも、市は知りたいの。長政様の知ってる事、市も知りたいの……。だって、市は…「もしや貴様、真田か?」



いきなりの長政様の声に驚き振り返る。服選びが苦手は長政様は、いつも上がジャージ姿で下がGパン姿だからすぐにわかる。待ち合わせ時間15分前ピッタリに、長政様は来た



「浅井殿、お久しぶりでござる…」



苦そうな顔をしながら紅い人が会釈をする。長政様は目を細めただけだった



「真田、少しばかり話がしたい。来い」



長政様が背を向け、歩き出す。紅い人も少し驚き、そして躊躇っていたけど、すぐについていった



「あの…長政様、…市は………」



市はついていっては駄目なの?


長政様はちらりとこちらを見ると、口を開いた





「…勝手にしろ!」


「…!………はい…!」















(市と幸村と佐助と長政)

市と幸村の異色コンビをやってみたかった…!(笑)
そういえば木魂の書く長政は無駄に静かで別人ですね。…何でだ!?(ぇ)

09.11.15
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