Basara

□学園BASARAC
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036(長政と)










子供達が少し離れた場所で野球をしている。ここは公園…というよりは広場であり、整備されたグラウンドが広がっている場所だ。そんな光景を横目に、商店街を背にグラウンドを見ながらベンチに座っている二人の元に私は向かっていた



「待たせたな。真田のは適当に買ってきたが別にいいだろう?」



私は二人に缶飲料を渡す。市は『感激をあなたに…』を、真田には『やっちゃいました』を渡した



「ありがとう…長政様……」

「……………有り難く、頂戴致す…」



市は小さく微笑んで、真田は他に何か言いたそうだったが、結局それ以上は何も言わなかった

私は立ったまま『いい調子だね!』を開け、一口味わってから私は真田に向いた



「いつ、越してきた?」

「…春休み中でござる」



そう言った後、奴も一口啜った。それを横目で見た後、私は再度口を開いた



「……あの頃より、随分大人しくなったな。改心でもしたのか?」



私は奴に一番尋ねたかった事を尋ねた。そして真田を見ると、奴は黙ったまま缶を見つめていたので私は話を続けた



「改心は良い事だ。私に対してのあの侮辱は許し難い程、あの時の貴様は悪そのものだったからな」

「…某は………」



そう呟くと、真田は顔を上げて真っ直ぐと私を見た





あの時とは違う、真っ直ぐな眼で







「某は今、武田信玄というお方の元に居候の身でござる」

「武田信玄…お館殿か………!」



その名を聞いて私は驚いた。この辺りでお館殿を知らぬ者は、まぁいないだろう。それ位ある意味で有名なお方だ

お館殿の道徳の理念には、私はある意味一目置いている。私も昔、世話になった身だ



「某がお館様の元にいる…そなたならばこの意味、解るでござろうか……?」



その言葉に多少なりとも試されている事に気付き、腹立しく思ったのでこちらも言い返す事にした



「………フン、成程な…どうりで…「長政様……」

「!何だ、市。今は話の最中だぞ!」



私が軽く叱咤すると、市は小さく「始まる…」と呟いた

私はハッとして腕時計を見る。マズイ、上映時間15分前だ…!!



「時間だ。失礼する」

「えっ、う、うむ。……あっ!某も佐助を待っていたのでござった…!!」



慌ててベンチから立ち上がる真田と目が合ったので、私は口を開いた



「いいか。この先で私が貴様を悪と見なした時……正義の使者として私は貴様を排除する…!」

「……………了解致した…」



真田はそう言い、軽く会釈をして背を向けた。私も急ぎ映画館に…





「…ねぇ、紅い人……」



市が真田を呼び止めた。真田は振り返り、自分なのかと首を傾げた。市、時間が無いというのに何故呼び止めるのだ!!



「何をしている市!早「今から行く場所での話を承諾すれば、貴方はきっと…後悔するわ…」

「……?どういう…「急げ市!5分前に間に合わなくなる…!!」



私は市の手を掴み、映画館に向かって走り出した

その間、市が小さく「あぁ…これも全て市のせいなのね……」と呟いていたが、その自虐的な言葉が意味する事など、私にはさっぱり解らなかった















(長政と幸村と市)

この三人組は意外と好きです
缶飲料の味はご想像に…(笑)

09.11.20
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