Basara
□学園BASARAC
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037(佐助と)
「あっ、居た!どこほっつき歩いてたんだよ、旦那!」
「すっ、すまぬ!知り合いに会った故に、つい話をしに…」
「だったら連絡位入れてよね〜、全く…。ほら、行くよ」
申し訳なさそうにうなだれる旦那を見て、俺は歩きながら溜息をつく。何というか、旦那は呼ばれるとすぐにどこかへホイホイと行ってしまう。堅々しい性格の割には、じっとしていられないらしい。本当に困った人だ
「さて…待ち合わせは毛利の旦那の所だったね」
「うむ!一体何の用なんだろうな…?」
「その辺、怪しさが滲んでるけど…。嫌な予感がするなぁ…」
「ぬ、見えてきたぞ!」
目的地が見えて旦那が小走りで行くのを見て、少しだけ口元を緩める。こういう時は楽しみでしょうがないという意志表示だ。幼い頃からずっと側にいたので、行動一つ一つで何となく解るのだ
つまりそれは、あの人達の事を少しでも気に入っている意味でもあった
(…まぁ、まだよく解らない人達だから、俺が注意しなきゃだけど)
俺がしっかりしなければならない
あの時の事を、二度と起こさせないように………
「真田先輩、お待ちしてました!」
「………?」
毛利の旦那の家の門前に居たのは……………誰だ?
俺達が揃って首を傾げていると、向こうが慌てて紹介し始めた
「あっ、初めまして!俺は伊達成実って言います。梵…じゃなくて、伊達政宗の従兄弟の弟分です。えと、案内しますね」
「案内?家の中じゃないの?」
「まぁ、そうなんですけど……。二人の為にちょっとしたサプライズを用意したので、その案内です…」
ちらちらとメモ用紙らしき物を見て「合ってるよなぁ」とか「あっ、サプライズは言っちゃ駄目だったのか!!」とか言ってるし。……いや、何かめちゃめちゃ怪しいし。……大丈夫か……?……いや、怪しい
「旦那、帰ろうか」
「ぬ?」
「えぇぇ!?それは困ります!梵に殺されちゃいますぅぅ!!」
「いや、そんなの知らないし。ってか怪しさ満点の中、何で行かなきゃいけないの?と言うか、そのアンタの反応でさ〜…何かあるって臭わせすぎてるし」
俺がツッコミたい事を羅列したら向こうも納得したのか、肩を落として黙った。ははん、ツッコミをなめるなよ
「まぁまぁ、よいではないか佐助。何かは解らぬが折角用意してくれたのでござるぞ、堪能せねばならぬでござろう?」
「…!そうそう、そうですよ!楽しまなきゃ損ですよ先輩!!」
堪能って…和菓子出るもんだと思ってるでしょ旦那!!舌見えてるよ!!ってかコイツ、調子に乗るの早っ!!
「いや、ここは帰った方が「ささ、真田先輩!こちらです!!」
成実君がさっさと門を開けた。向こうも命が懸かっているからか、全力で旦那を誘導しようとしている
そしてやっぱりホイホイとついていく旦那
「何をしてるでござるか佐助、置いて行くでござるよ?」
俺は頭が痛くなってきた
あーぁ、もう勝手にして!
(佐助と幸村と成実)
佐助は愛され重宝されるツッコミです
09.11.21