Basara
□学園BASARAD
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第五章 『肝試し大会』
049(かすがと)
幸村リンチ大会と称されていたモノも終わり(というか、食べた後アイツずっと顔青かったが、何食わせたんだ?)、ジメジメとした苛々する天気も一掃され、カラッとした暑さがやってきた(それはそれで暑くて苛々するんだがな)
そんな頃になると毎年学校で恒例の肝試し大会が訪れる。その前日には毎年プール大会があるのだが、諸事情によりプールは使えなくなっていた。どうやら水道管に事故があったらしく、最近工事しっぱなしでプール大会までには間に合わないという
勿論授業でも使えず、ただの暑苦しい体育が繰り広げられていて暑苦しいったらありゃしない。あぁ、苛々する…!!
「暑苦しい上にプール無しなんて…俺死んじゃうよ〜!!」
無駄に元気に叫ぶ前田。下敷き二枚を両手に団扇代わりにして扇いでいる
「じゃあ死ねばいい」
私が軽口を叩いてやれば、前田は泣き真似をしだした。それを笑いながら、伊達が前田のポニーテールを下敷きで突く
「なら、そのクソ長ェ髪を切ればいーんじゃねェのか?Feel refreshed(さっぱりとよ)」
「それは良い案でござるな」
「………………………」
「コタもそれは良い!って言ってるし、是非そうしたら?」
「え〜!?俺のチャームポイントだよ!?…というか幸村がそれを言うか?」
「ぬ?某は文句を口に出してはいないでござるよ」
「そうだよ、旦那は内で思ってるだけだからね〜」
「それはそれでどーなんだ…?」
そう前田が呟いて皆笑い出す。一ヶ月前のリンチ大会の件から、真田が伊達達とよく話すようになった。その前までは…まぁ話はしてはいたが、何だか人を避けている様に感じたからだ。実際今までの真田は人付き合いは悪くは無いが、一定した友人は居なかった様に思う
そうなるとくっついて佐助やコタ、引っ張られて私までもが伊達と前田の周りに集まっていた。一ヶ月経った今では、それが日常となっていた
「そういえばさ、明日肝試し大会があるじゃん。楽しみだね〜」
佐助が楽しそうに言うと、真田を除き全員が黙り込み、青くなった。無論、私もだ
「……?どうしたのでござるか?皆一様に腹を痛め「違うからね旦那、明らかに肝試し大会に何かあったって反応だからね!ここで食中毒疑いをかけないでね!……とはいえ、肝試しに何があったのさ?ねぇ、かすがちゃ〜ん?」
おどける様に言ってくる奴に、私は思い切り睨んでやった。…ふざけるな!私の口から言える訳が無いだろう……!!
「ふん、自分で身をもって知れ!!」
「そうだねー。あれは冷えるね、うん」
「………………………」
「I can't take a rest even if I want to take a rest(休みたくても休めないし)何せ、休んだ奴は強制補習だからな」
知っている全員が去年を思い返しているに違いない。あぁ…駄目だ!!アレは永遠に破棄したんだ!消去したんだ!何で強制参加なんだ!うぅっ…!!
「………何か、凄い嫌なんですけど…」
「おぉぉ!何だか楽しみでござる!!」
目を輝かせながら一人、楽しみにしている真田を見て、私は溜息をついた
『リンチ大会』の非じゃないからな、アレは…。伊達の軽い悪戯なんて可愛いものだ
肝試し大会で味わえばいい…
本当の恐怖をな!!
(かすがと二年の仲間達)
やっとの更新です(笑)毎度遅くてすみません…!!
10.02.11