Basara
□御題挑戦B
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夕陽差し込む教室(かすがと)
「ねぇ、かすがちゃん。これからさ〜、買い物に行かない?」
「…は?」
委員会という面倒臭い仕事も終わり、帰路につこうと一息いれていたらやってきた面倒臭い男と、何故一緒に買い物なんかに行かなければならないのか理解に苦しむ
「冗談も顔だけにしろ」
「えっ!?ちょっ…それはいくら何でも酷いでしょ、かすがちゃん!!」
そんな奴の不平を無視し、夕焼けによって橙に染められた教室の扉に手をかける
「ねぇねぇ、かすがちゃんってば〜!」
「うるさい!真田やコタと行けばよかっただろうが!!」
「旦那は稽古だし、コタは用事があったんだよ〜」
「なら一人で行け」
「寂しいじゃ〜ん!ね、かすがちゃ〜ん」
「知るか」
また扉の方を向き、開く
開いた途端、風が流れていくのを感じた
「かすが」
そう呼ばれ、驚いて振り返る
振り返ると、佐助が橙色に染められていた
「……ちゃん♪」
小首を傾げながらニッコリと奴は笑った
私は怒りと恥ずかしさに、頭に血が昇っていくのを感じた
「……っ、死ねっ!!」
それらを振り払うが如く、扉をブッ壊す勢いで開けて私は教室を出ていった
アイツはついては来なかった
人を馬鹿にして、私を認めやしない…
やっぱり嫌いだ、アイツは…!!
夕陽差し込む教室
Fin.
(かすがと佐助)
10.02.24