いちご†盗人
□#An extra entertainment. 2
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ごく最近、男と別れた。
六ヶ月付き合って、そのうちの半分は同棲もしていた、年上の彼氏と。
すがすがしい別れとは言えない。
散々貢いで暴力も振るわれて、それでも嫌いになれなくて、最終的には友達の力を借りてようやく切れたようなものだったから。
といっても、涙なんて出なかった。
むしろずるずる関係が続いていたときのほうがよっぽど泣いたっつうか。
だからあたしは踏ん切りがついて、ちょっとホッとしたのだ。寂しくないかといえば、それは……内心、凄く心細かったりするんだけど。
でも、そういうの、表面に出すの、凄く苦手。
髪を切ったりとかさ。他の女子にはアリでも自分には到底似合わないって思う。
おかげで、けろっとしたもんだねえ、と母親には呆れられた。
出戻りも結婚前だから良かったよ――とかなんとか、慰めているつもりだったんだろうか。
まあ大して気にしちゃいないけど、それはちょっとだけ癪に障った。イラッとはしたんだ。
で、イメチェンくらいはしてやろうと思い立った。服の趣味を変えてみようっていうか。
一応は乙女なんだし、再就職先でも順調だし、ここは高校デビューのときみたいに華々しく変身してやろうかなと。
しかし。
だがしかしだ。
早速ファッション誌をめくっていたあたしに、親友がくれたアドバイスと言ったら酷かった。