藍-aihi-緋
□第一幕
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篝が目を覚ましたところはどこかの路地裏だった。
『…。』
取り敢えず移動しようと立ち上がろうとした篝だったが手と足に枷が付いており身動きが出来なかった。
しかも、足には錘さえ付いていた。
『…。』
篝は諦めたようにその場に踞った。
──…スッ
そんな時、篝に影がささった。
『……?』
篝は不思議に思い顔を上げるとそこには赤色。
?「こんなところで何してる。」
男は篝の目線に合わすようにしゃがみ込んだ。
『…。』
プィッ
?「な、…はぁ。」
おもいっきり顔を逸らされた男はため息を漏らした。
そして男は名乗ったのだ。
ク「俺はクロスだ、そう警戒するな。」
『……クロス。』
ク「あぁ、クロス・マリアンだ。クロスと呼べ。…おめぇは?」
口調はいつも通りだが、雰囲気だけは優しくクロスは篝に問うた。
『…。』
ク「何だ…名前無いのか?」
『……篝。』
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