藍-aihi-緋
□第二幕
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『…アレン。』
アレンの帰りを待つ篝の小さな声はホテルの一室に消えていった。
何故篝がアレンを待っているか。
それは数時間前の出来事がきっかけだった。
──…数時間前
クロスに殴られた悲劇から数日経ったアレンと篝の二人を襲ったのはまた悲劇であった。
その悲劇とは…
ア「ティムゥゥウ!!」
『…。』
ティムが野良猫に食べられてしまった。
仕方なくアレンは野良猫を追い掛けることにして、篝は先にホテルに行くことに。
ア「篝!すぐ戻るのでこの紙に書いてあるホテルへ先に行っておいて下さい!」
『…。(コクリ)』
大人しく頷いた篝にアレンは微笑みそのまま野良猫を追い掛けて行った。
そして冒頭に至るのだ。
──…翌朝
結局アレンは帰って来なかった。
『…。』
これ以上待てないと、篝は立ち上がり外へ出た。
アレンを探す為、街を歩き周った篝だったが広さ故になかなか見つからなかった。
『(…アレン。)』
篝が心の中でアレンの名前を呟いた時だった。
ドドドドドッ!
ドーンッ!!
大きな音と共に一つの家と一つの教会が壊れた。
『教会…アレン?』
篝は教会を目指して歩きだした。
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