藍-aihi-緋

□第五幕
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ア「こんばんは、AKUMA。」




『…。』




その日篝とアレンは“巻き戻しの街”と呼ばれる街に来ていた。





コムイの話ではその街は、10月9日が永遠と繰り返されているらしい。




そして多分イノセンスがあるらしい、多分。






その“巻き戻しの街”で見たのはアクマに襲われている女性。





篝は興味無さそうにしていたがアレンは放っておくことなどせず、イノセンスを発動した。






ダンッ!!




ガッ!




アレンがアクマと闘っている間にもその女性はどこかへ逃げて行ってしまった。




?「(私!“今日”から抜け出せたのね!)」






ダダダダダーーーッ!





『…。』




篝はそれを静かに見ているだけだった。





















ア「はぁ、はぁ……篝、あの女性は?」





『…。』






数分後、アクマを倒したアレンがそう篝に聞くと、篝は無言で誰もいない道を指差した。






ア「ぇ、まさか…。」





“逃がした…?”





そう言うアレンに篝は小さく頷いた。





ア「……似顔絵、書きますか。リナリーに怒られたくないですし。」




アレンはそう言うと“忘れる前に”とすぐにペンと紙を取り出し書き始めた。






ア「え〜と確か…。」





カリカリカリ…




カリッカリカリ…





『…。』





篝は黙ってアレンが書く似顔絵を見ていたが何だか恐ろしいものを感じた。






『……アレン。』





ア「はい、何ですか?篝。」




『…何でも無い。』




ア「?」




篝はアレンに伝えることを諦めて来た道を戻って行った。







──…





リ「これは何?アレン君。」





翌朝、別行動を取っていたリナリーと合流し、昨夜書いた似顔絵を見せた瞬間の一言だった。





その一言に篝も納得。





ア「似顔絵、こんな顔でしたよ。」



リ「………似顔絵?」




ア「あれ?変ですか…?」




リ「うん、変…。」





『…。』




篝は例の似顔絵について話し合っているアレンとリナリーを見つつ、運ばれてきたチョコパフェを楽しんでいた。





『……おいしい。』





──…





『…。』




篝がチョコパフェを食べていると前のボックスに昨日の女性が座っている事に気付いた。





『…。』




?「…。」




しかもこちらをガン見しているのだ。




篝はアレンにその事を教えようかと服をちょいちょいと突いたがアレンはリナリーとの話をしており気付いてくれなかった。




『……ん。』




篝はどうしようかと考えたが女性から殺気を感じなかったのでそのまま放置する事に。





リナリーとの話が終盤に差し掛かった頃、急にアレンの動きが止まったかと思うとスプーンをガチャーンッと落としてしまった。





ア「……。」




『…。』





リ「?…アレン君スプーン落ちたよ。」




ア「ああぁっ!」




?「はっ!」





リナリーがスプーンを落とした事をアレンに伝えたがアレンは昨日の女性が居た事に気付き絶叫した。






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