ぬらりひょんの孫
□一途な想いを
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職員室のゴミ捨てを終え、教室に戻ろうと思ったとき担任に呼び止められた
「奴良! ちょっといいか?」
「なんですか?」
「これを教室まで運んでくれないか?」
机の上に大量に積まれているプリントの束を指している
「…わかりました」
断る理由もなかったので引き受けることにした
少し進むと階段に差し掛かった
「(さすがにこれは……というか、すでに前見えてないし…)」
どうしようかと階段下の踊り場でウロウロしていた時…
「若!! そんなところで何をしているのですか!」
上の方から聞き覚えのある声が聞こえた
「名前? ちょっ……助けて!」
「あ、はい!」
腕にあった重みは軽くなり、視界が明るくなった
「これ、どうしたんですか?」
「先生に頼まれちゃって…」
「……またですか…?」
呆れた顔をしている名前は側近で、つらら達と同じ妖怪だ
「だって、先生困ってたし…」
「…わかってますよ
だって私は、若のそういうところに惚れたんですから♪」
微笑む名前を見て顔が熱くなるのがわかった
無意識で言っているから厄介なんだよね…
「ねぇ、名前…
…聞きたいことがあるんだけど…いい?」
「なんでしょう?」
きっとボクだけが持ってるであろうこの感情…
いつも誰かがいて聞けなかったコトを、この際聞いてみた
「名前はボクのこと…どう思ってるの?」
驚いた顔でボクを見ている
「わ、私は…次期当主として若のことが好きですよ?」
「…ボクは、名前を側近なんて思ったことないよ」
「……え?」
立ち止まり呆然と立ち尽くした
「…ウ、ウソですよね?若!!」
ボクに詰め寄り問いただしてくる
「ずっと、一人の女の子として見てた……」
「!!」
目を見開いてこちらを見る名前を見つめ返す
「だから…本当のこと、言って?」
「……私は、若を男の人として想ってました///」
俯き加減で言う名前がすごく可愛かった
君のことが、いつの間にか好きになってたんだ
側近とか部下としてじゃない…
一人の女の子として……
だから…この想いを伝えるよ
(ねぇ、手繋いで帰ろうよ)
(は、恥ずかしいです!///)
(大丈夫だよ! ね?)
(………わかりましたよ!)
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