黒子のバスケ

□乗り越えた先に…
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ある日の昼下がり


私は友達とお昼ご飯を食べていた


すると、突然廊下が騒がしくなった



「苗字ー、ちょっといいっスか?」



ドアから顔を出したのは私達の英語の先生である黄瀬 涼太先生だった


なんだろうと思いつつ、私は黄瀬先生の後について教室を出た



「……えっ! 補習?!」

「そうっス!
苗字…自分の成績がどのくらい酷いか知ってるっスよね?」

「………はい」

「じゃあ、放課後に英語準備室に来るんスよ?」

「わかりました…」



最悪だー!



まさか、補習に引っ掛かるなんてっ…!!



そりゃあ…授業中寝てる私が悪いけどさぁ!



まぁ、文句言っても仕方ないか…



軽くショックを受けながら、私は放課後になるのを待った






〜放課後〜
「失礼しま〜す」

「おぉ! ちゃんと来たんスね!」



英語準備室に行くと、先生はコーヒーを飲んでいた



「そりゃあ、来ますよ! 成績のこと言われたら!」



少し怒り気味に言うと「そうっスねー」と、言いながら笑う先生に見惚れてしまった



「んじゃあ、補習…始めますか!」
「…えっ? 他の人は…?」

「来ないっスよ? 苗字一人っス」



はっ? ちょっ…聞いてないし!!



「マジですか?! あの、私…用事思い出したんで帰りま…「補習受けないと、赤点になるっスよ?(ニコッ)」」



…爽やか過ぎる笑顔で脅されたっ!!



でも…赤点だけは免れなくては!



「補習…やらせていただきます!!」

「じゃあ、このプリントをして、分からない所があったら聞いてほしいっス」

「は〜い」



先生からプリントを受け取り、さっそく始める




10分後
「…黄瀬先生」

「何スか?」

「全く分かんないです…」

「…いいっスか?
この単語があるときはinを使って熟語にするんスよ それから次に…」



黄瀬先生が熱心に教えてくれるが…そんなものは耳に入っていない



隣に座る先生の横顔をじーっと見る



(かっこいいなー っていうか、まつ毛長っ! 肌キレイだし…)



「……っ苗字!」

「ぅわっ!!」

「人の話…聞いてるんスか?」



先生は顔を覗き込むように、上目使いをして聞いてくる



「き、聞いてますよ!」

「じゃあ、さっきオレが言ったこと…繰り返してみて?」

「え、えーっと…υ」



全然聞いてなかったっ!



どうしよう…っと、ない頭をフル回転させていると…



先生がニヤッと笑った(気がした)



「お仕置きしないといけないっスねぇ…」



先生が何か呟いて私の顎に手を添えた



「先、生? …っ!!」



顔が近づいて来たかと思えば、目の前には先生の整った顔



ちょっとだけ苦い味がしたのはさっき先生が飲んでいたコーヒーのせいだろう



先生の顔が離れる



「ごちそうさま」



小悪魔のように笑う先生をボーっと眺めて、ハッと気付く



「こ、こういうのは好きな人にするんですよっ!///」

「してるじゃないっスか 好きな人に」



………ん? 私、耳悪くなった?



「せ、先生? あの、冗談…ですよね?」

「……オレは本気っスよ」



真顔で言われ、先生が本気なのだと分かった



「名前は…オレのこと嫌い?」

「わ、私はっ……!」




乗り越えた先に…
(黄瀬先生のこと…好きです///)
(知ってたっスよ)
(Σえぇっ!?)











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