黒子のバスケ

□不器用な俺と内気な私
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ピーッ!



「それじゃあ、15分休憩ね!」



体育館にカントクの声が響き渡る


キャプテン達は次々と床へ座っていく


そんな中、オレはシュート練習をした



「名前ちゃーん! ドリンク頂戴♪」

「どうぞ!」

「名前さん…僕にもくれますか?」

「うん! 黒子君」



笑顔でドリンクを配ってんのはマネージャーの苗字 名前


オレが最近気になってる奴…


だからなのか、苗字と話そうとすると緊張しちまって素っ気ねぇ態度になる


そんな俺の態度に苗字は少しビクビクする…


オレとしては結構ショックだ


ドリンクを配ってる苗字を横目で見つつシュートをしていると後ろから気配がした



「か、火神君……」



声の主は苗字だった



「…なんか用…「名前ちゃん! 危ない!!」



伊月先輩の声が聞こえた途端、オレは後ろを振り向く


すると、苗字の目の前にはバスケットボールが迫っていて後少しで直撃…


そう思った瞬間、体が勝手に動き苗字を庇うようにして抱きしめ、ボールとの間に自分の体を滑り込ませた


ゴッ!! …ドサッ……



「火神っ?!」

「火神君!」



苗字と皆の声が頭の中に響きながらオレは意識を手放した






保健室のベットで眠る火神君


先輩達は保健室の先生を探しに行ったきり帰って来ない


私はベットの近くにあるイスに腰掛け、遠慮がちに火神君の手を握る



「火神君っ……」



私のせいで火神君がこんな目に遭っちゃったんだよね…


もっと早く…気付いてれば……



「お願いっ…目を開けて……!!」



涙が頬を伝い、火神君の手の平に落ちる



「言いたいこと…たくさんあるんだよ…うぅ……っ…」

「………んだよ…オレに言いたいことって…」



頭上から誰かの声が降りかかる



「か、火神君!? よかった…!」



火神君が目を覚ましたからなのか、涙が沢山溢れてくる



「お、おい! 泣くなよ!!」



大声を出されて、ビクッっと肩を揺らす



「……ごめんね…私のせいで……っ!
火神君に…ケガ、させちゃって…!!」



あの光景を思い出しただけで背筋が凍る



「……気にすんな」

「っ……でも!」

「気にすんなって言ってんだろ!!」

「Σご、ごめん…なさぃ……」

「……悪ぃ… 別に怒ってるわけじゃねぇんだ」

「ぇ……?」



火神君が謝ったことに驚いた



「オレはただ…好きなやつを守っただけだ」



聞き間違いじゃ…ないよね……?



「ほ、んと…に……?」

「ウソ言ってどうすんだよ」



そう言うと火神君は優しく頭を撫でてくれた




不器用な俺と内気な私

(お前のことが好きだって伝わったか?)
(うん…!)






おまけ
「あの二人…ようやく、くっついたわねー♪」

「はぁ…疲れた……」



ドアのすき間からのぞき見ているリコと日向たち



「これで火神君がイライラすることもなくなりますね」

「だな …ったく、こっちの身にもなってほしいよ…」



大きくため息をつく伊月を見て苦笑いをするリコ



「まぁ、これで火神君のやる気が出てくれるならいいじゃない!」


なんだかんだ言いつつ優しく見守っているメンバー達だった










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