Gift

□二文字の言葉を
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部活も終わり、オレは暇だったのでシュート練習をする


黒子達に負けて以来、よくしている



「ふぅ…あと10本入れたら帰るか」



誰もいない体育館にオレの声だけが響く


静かな空間の中


集中力を高め、ゴールへと狙いを定めてボールを放つ



スパッ



「流石だねぇ 真ちゃん」

「…名前か」



後ろから声がし、振り返ることなく言った


声の主は元帝光のマネージャーであり、秀徳のマネージャーでもある名前だった



「部室閉めたいんだけど…」

「すぐ終わる 待っていろ」

「はーい」



名前はドアを閉めると壁に寄り掛かり座った


再び体育館に静寂が訪れる


オレは名前がいるのも忘れ、カゴに入っている残りのボールを次々とゴールへ放っていった






「全部入ってたねー」

「フン…当たり前なのだよ オレを誰だと思っている」

「はいはい」



オレは名前に背を向け練習着から制服へと着替える


名前はやることがないのか、携帯を見ている


二人の間に沈黙が流れる…



「そういえばさぁ…」



その沈黙を破ったのは名前だった



「テッちゃんに彼女が出来たんだって!」

「黒子にか?」



振り返り名前を見ると、目を輝かせながらオレを見ていた



「そうそう! いいよねー、テッちゃんの彼女さん…」

「なぜなのだ?」

「だって、テッちゃん優しいじゃん! はぁ…彼氏欲しくなってきたっ!」



ため息をして、机に突っ伏す



「高尾がいるだろう?」

「あのねぇ…誰でも良いってわけじゃないんだよ?」

「そうなのか?」

「当たり前でしょ!
それに…私にだって一応好きな人がいるのよ?」



じーっとオレを見て、また、ため息をついた



「…真ちゃん、鈍感だったっけ…」

「なっ!? オレは鈍感ではないのだよ」

「いやいや! 絶対、鈍感だね! だって私の気持ち…っ!」



開きかけた口を閉じて、急に黙り込んだ



「気持ちが……何なのだ?」



名前に詰め寄り、答えさせようとする



「わ、わかってるくせにっ!!」

「オレは鈍感だからな…言ってくれなければ分からないのだよ」

「(めちゃくちゃ根に持ってる?!)じ、じゃあ…ちゃんと聞いてよね!」




二文字の言葉を
(好き!///)
(オレもだ)












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