♪小説♪
□Pleasure in suffering
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「むかつくんだよ、テメェの存在が!」
「いちいちうるさいわね。だったら関わらなければいいでしょう?」
「・・・チッ」
また性懲りも無く勝負を挑んできたかと思えば、聞こえてきたのは私の存在否定。
言葉にされなくてもわかってる。
そう言われるたびに傷ついてる自分がいて。
悲しむ必要なんてないのに止められない心の涙・・・。
獣のように己を抑えることができない貴方が嫌い、嫌い、嫌い・・・。
でも視界に貴方が入ってくると胸が高鳴るの。
この気持ちはどう処理すればいいの・・・?
私は貴方が・・・嫌いよ・・・。
「どうしてそんなに私に構うのよ?気に入らないならお互い関わらなければいい。ただそれだけでしょ・・・?」
「・・・るせぇ。」
俺が聞きたいくらいだ。
どうしてこんなにお前が気に入らないんだ・・・?
雌のくせに雄の上に立ってるからか?
生ぬるい性格に腹が立つからか?
一度も勝てないからか?
・・・違うんだ・・・。
すべて違う・・・。
俺はお前が・・・。
碧緑の長い髪が風に遊ばれているのにも構わず、ただ静かに立っていた。
足下には腰に差してある刀で斬った敵・・・。
流れていく鮮血は大地がどんどん吸収していっている。
闘うことが存在意義である自分の宿命を受け入れ生きていくしかないのだ。
涙なんて流せないけど、せめて死んだ彼が生まれ変わったときは闘いとは無縁の世界で生きて欲しいと、そう思うことしかできない・・・。
戦士として、私はこれからも斬り続ける・・・。
「よォ・・。」
「ノイトラ・・・。」
大きな霊圧に気付き振り向けば、首の近くにノイトラの武器の感触。
三日月を思わせるような巨大な刀があと少しでも動けば間違いなく私の首は飛ぶだろう・・・。
―死ねばすべてから逃げられるだろうか・・・?・・・この男からも・・・―
一瞬頭をよぎった考えがあまりにもバカらしくて、笑えてくる。
「何笑ってんだよ・・?」
それが気に入らなかったのか、露骨に態度に出すノイトラ。
「お前はこれから死ぬかもしんないんだぜ・・・?」
「・・・そうかもね・・・。」
「刀を抜けよ。俺と勝負しろ。」
「・・・嫌よ。」
「なんだと・・・?」
「聞こえなかったの?嫌、と言ったの。」
「てめぇ・・・!」
「貴方に私は殺せないわ。」
「大した自信じゃねぇか・・・。相変わらずムカつくヤツだぜ・・ッ」
「私ね・・・貴方が嫌いなの。」
「奇遇だな、俺もだぜ・・・。」
「でも・・・私は貴方を殺せない・・・。私の刀が貴方の血を吸っているところなんて見たくないのよ・・・。」
このまま喋り続ければ堪えきれず泣いてしまいそうだった。
声が次第に震え、泣き顔が見られないように地面を見つめた。
私は何を言っているのだろうか?
きっとノイトラだって困っているはずだ。
今すぐにでも逃げ出したいが、私の足がそれを許さない。
「てめぇそりゃどういう意味だ・・・?」
「私にだってわからないわよ・・・。」
「俺が教えてやろうか・・・?」
「・・・え・・・。」
強く、抱きしめられた・・・。
視界いっぱいに広がるノイトラの胸板と、間近で感じた熱が私の思考回路を麻痺させる。
腰に回された腕は私を捕らえ逃がすつもりはないらしい。
「お前は、俺に惚れてんだよ・・・。」
「そ、そんなことっ・・・!」
「素直になれよ・・・。」
「私は・・・私はッ・・・」
「俺はお前が好きだ。」
「え・・・?」
あまりに突然の告白に言葉が見つからない。
ノイトラが・・・
私を・・・?
「今度はてめぇの番だ。素直に言っちまえよ。」
忙しく心音が騒いでいる。
きっとそれは私のものだけではないはず・・。
二人の音が重なりあって、周りの音よりも大きく聞こえてくる。
あぁ、もう答えは出ているじゃないか・・・。
鳴り止まない音は何よりの証拠。
「悔しいから、私は好きなんて言わないわ。」
「けっ、そうかよ。」
「だから代わりに言わせて?・・・愛してるわ・・・。」
そっとノイトラの背に回した腕に力をこめた。
私は・・・ノイトラが好き・・・。
嫌いの数だけ、好きだったんだ・・・。
「お前を殺せるのは俺だけだ。覚えとけ。」
「・・・そんな日がくるといいわね。」
「てめぇは俺だけ見てればそれでいいんだよ。」
「なにそれ、独占欲?まるで子供ね。」
ねぇ、これからは貴方で私をいっぱいにして・・・?
不変のもはあると信じてるから。
最後まで貴方を・・・
愛させて?
■END■
アトガキモドキ
リク内容がすれ違い両思いのはずだったのに・・・。
侑様ごめんなさいッorz
どちらかというと素直になれないネルの話になってしまいましたorz
最後甘いんだかなんなんだかよくわからないし・・・。
グダグダですね;
リクありがとうございました☆