♪小説♪
□桜と簪と知らない少女
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あの娘と会って、一週間。
・・・会ったというのは正しくないな。見かけて、が正解だ。
走りづらい着物なんて気にもせず猛スピードで駆け抜け、突然止まった娘。
頭上にある桜の木を見つめる姿が少女ではなく女に変わった瞬間があった。
風に乗って桜の花びらが散るのを大きな風呂敷で受け止めようとする姿があまりに一生懸命で、同時に自分にとっては意味のわからない行動でしばし見とれていた。
風呂敷に桜が溜まると満足したようにあっさりとその場を去っていった少女。
それから俺の頭を占領し続ける桜の下の少女。
名前も知らない彼女を考えることが日増しに大きくなり、ついには見かけた場所にまで来てしまった。
「・・・くだらん・・。どうかしているな・・。」
「なにがくだらないんですか?」
「・・・!」
後ろからひょっこりと現れた目的の人物に驚いて思わず距離をとる。
こんな簡単に会えるとは思っていなかったから何を言ったらいいのかわからない。
「・・・どうしたんですか?」
「・・・いや、なんでもない・・・。」
「あ、もしかして桜ですか!?」
「桜が・・・なんだ?」
「あ、違うんですか?てっきり桜に見とれてるのかなーと。」
桜に見とれていたお前に見とれていた、と言ったらどんな反応をするのだろうか?
言うつもりなんてないがな・・・。
「お前は何故ここに?」
「桜の花びらが必要で。お仕事に使うんです。」
桜の必要な仕事ってなんだ?
簡単に聞けるほど親しいわけでもないので触れないでいた。
「・・・。」
あのときと同じように風呂敷いっぱいに桜を掬っている少女を無言で見つめた。
長い栗色の髪が風に遊ばれ宙に舞いながら、少女も舞うように桜を集めていく。
穏やかな時間が、過ぎていく・・・。
「それじゃ、私はやることやったんでそろそろ帰ります。」
「・・あぁ。」
「・・・また会えるといいですね!」
こちらを振り返りながら手を振って歩いていく姿を見送り自分も帰路につく。
途中、売られている簪の中にあの少女に似合いそうなものを見つけ、思わず買ってしまった。
可愛らしい花簪。
渡すことはないと思いつつも頭のどかで期待している自分がいた。
そっとしまいこみ、暗くなった道を進む。
「そういえば・・・名前を聞くのを忘れていた・・・。」
自分も名乗るのを忘れていたことに気付く。
名前、か・・・。
彼女の唇が己の名前を紡ぐ日が来るのかそれはわからないが、そんな日が来たら今日買った簪を贈ろうと心でそっと決めた。
「あ!ウルキオラ殿!やっとお戻りになられた!皆心配してたんですよ!」
見飽きた門をくぐり家に戻ると家臣が頭に響くほど大きな声を発しながらこちらに向かってくる。
「・・・すまない。」
「帯刀もせずこんな遅くまでどちらへ?もう少し危機感を持たれたほうがよろしいかと・・。」
「・・・すまない、と言ったはずだが?・・・今夜はもう休む。」
一方的に会話を終わらせ、自室に戻った。
薄暗い中で意識は妙に冴え、眠ろうとすればするほど無駄に目覚めてしまう。
「おーい、ウルキオラー。いるかー?」
俺の名を呼び捨てにするのはそう多くはない。
「グリムジョー・・・わざわざ忍び込んで何の用だ?」
「冷てぇなぁ。せっかく遊びに誘ってやろうとしてんのによ。」
「遊び・・・?」
「あぁ。毎日こんな堅苦しい家にいたらつまんねぇだろ?」
「庶民の貴様と同じではないからな。仕方ないだろ。」
「だから夜遊びしようぜ。」
断る理由が見つからず大人しくついていった。
家のことを気にせず俺とつるんでくれるのはコイツだけな。
前を行く男がやけに自由に思えて羨ましかった。
「着いたぜ。」
「ここは・・・。」
「たまには女もいいもんだぜ?普段のことは忘れて遊んでけよ。」
「しかし・・・・・・って、おい!」
言い返す前に腕を引かれ無理矢理中に入れられてしまった。
なすがままに流され部屋に案内される。
遊女の集まりである遊郭にグリムジョーはいつから来ているのだろうか?
妙に慣れていたな・・・。
武家や公家の接客が主だと思っていたが・・・。
本来なら今夜の相手のことでも考えるであろうこのときに冷静に別のことを考えている自分に自嘲した。
あたり一面にあるのは花びら。
まさか室内で桜の花びらを見るとは。
そのせいかほのかに外の香りを感じた。
「失礼致します。」
ゆっくりと、静かに襖を開きその姿を現したのは、見知った顔。
長い髪は束ねることなくさらりと垂れ、腰につくかつかないかくらいまであった。
「あっ・・・。」
お互い、目があった・・・。
なんとなく流れる沈黙も短く終わり、こちらに来るよう手招きした。
「ここで・・・働いているのか・・・。」
「は、い・・・。えっと・・・その・・・あの・・・。」
若干の動揺は感じたが、俺の腕は意思とは関係なしに彼女を抱きしめていた。
間近で香る少女の香りと桜の香りが混じり、考えることができなくなった頭で必死に理性を保とうとするも虚しく、押し倒してしまった。
「あっ・・・、あの・・・いいんですか?私で・・?」
「お前じゃなきゃダメだ・・・。」
首元に顔を埋め、自分の印を付けながら耳元で囁く。
軽く耳朶を甘噛みしただけで漏れる吐息は簡単に甘くなり、それが面白くて同じとこばかり繰り返していた。
「ふっ・・・はぁ・・・んッ・・。」
やや乱暴に胸元をはだけさせると、大きい乳房が現れ、貪るように味わった。
片方は口に含み舌先で転がすように、片方は形が崩れるほど揉みしだく。
「あ、あ、・・・ぁんッ・・・んん・・・ぁ・・・はッ・・・ぁぁんっ・・・」
「ここが感じるのか?」
ツン・・・と主張し始めた頂を指ではじいたり摘んだりすると嬌声が一層高く上がる。
「ひゃぁぁんッ・・・!はぁ・・・ッん・・・ぁぁんッ・・・!そこ・・・いぃ・・・よぉ・・・ぁぁっん・・!」
ひとしきり味わい解放してやると、足を開かせた。
少しの抵抗も見せないあたり、やはり慣れているのだろうな・・・。
茂みを掻き分け触れるだけの刺激を送る。
俺の中指は緩慢な動作でソコをなぞりあげていく。
「うぅッん・・・あぁん・・・っ・・・んっん・・・ぁ・・あん・・・」
指に纏わりつく愛液を掬い取り、そのまま女の口へ突っ込む。
「お前の味だ、味わってみたらどうだ?」
「ん・・んッ・・・んん・・はッ・・・んッ」
丁寧に言われたとおり舐め上げ、それが終わると物足りないような眼差しで俺を見つめてきた。
潤んだ瞳はとても昼間に見た少女と同じものとは思えなかった。
妖艶で官能的なそのさまは、少女というより女だった。
舐められ綺麗になった指を今度は挿入した。
中をぐちゃぐちゃに、犯すように、激しく動かす。
「はぁぁんッ!・・・ぁぁんッ・・・はッぁ・・・んッ・・・ぁぁん!ぁぁんッ・・・!」
二本へと増やし、責め立てる。
浮いた腰は絶頂が近い証拠だろう。
びくん、と震わせると中からは止めどなく蜜があふれ出た。
「・・・いいか?」
自身をソコにあてがいながら、形式だけの許可を得る。
どうせ拒もうとやることは同じだが。
奥深くまで自身でいっぱいにし、一突きにする。
「あぁぁんっ!!・・・はっ、あぁんッ・・・ん・・・ぅ・・・ぁ・ぁ・・ぁんッ」
「動かすぞ。」
「んッ、んッ・・ぁぁんッ・・・ひゃッぁ・・・ぁんッ・・・ぁぁん・・・!」
動かすたびに意識が飛びそうになるが、もっと高みを目指してただ腰を打ち付ける。
上下に揺れる胸を押さえているのか隠しているのか、とにかくそこには女の手があった。
それが嫌で手を掴み、握る。
握り返された、己の手。
じんわりと汗ばんでいて、どちらの熱なのかさえわからないが、心地よくて。
「あっ、あぁぁんッ・・・ん・・・ぅ・・・はッぁ・・・ん・・・ぁぁんッ・・・あ・・あッ・・・ん!」
耳を刺激する声、熱、すべてが自身を絶頂へと誘う。
「ッ・・・イキ・・・そうだッ・・、」
「私もぉ・・・んッ・・・ァッ、イッ・・・ちゃ・・・ぅ・・・ぁぁッ!」
大きく仰け反り、締め付けが強くなった。
一足早く果ててしまった彼女に続くように自分も熱を中にぶちまけた。
「はぁ・・・んッ・・・」
肩で息をする彼女に覆いかぶさるようにして倒れこむ。
すると頭を撫でられ、優しさを感じると同時に安心した。
乱れた髪には所々桜の花びらが混ざっており、一つ一つ、丁寧に取り除いてやる。
視線を絡めたまま、互いの距離が近くなった。
目を瞑ったのを了承の意ととらえて唇を重ねた・・・。
先程までの行為の余韻が残る中での口付けは蕩けそうなほどで、じんわりと内側から熱を孕むようだった。
そういえば・・・・。
「名前、を聞いていなかったな・・・。俺はウルキオラだ・・・。」
「ウルキオラ、さん・・・。私は織姫です。なんだか今更って感じがしますね。」
小さく笑った顔はすでに少女に戻っているような気がした。
あの花簪が無駄にならずに済みそうでよかった。
きっと似合うだろう・・・。
「織姫・・・また逢おう・・・。」
「はい・・・。」
初めて織姫の名を紡いだ唇を、もう一度深く重ねた・・・。
次は花簪を持って君に―。
アトガキモドキ
風華様、大変長くお待たせしましたスミマセンorz
時代物・・・になってますかね?
微妙ですね・・・。
難しい・・・!
こんなものになってしまってスミマセンでしたorz
裏・・・少なかったかな?
前半に話をいれるとどうしても裏のシーンが短くなっちゃうな・・・。
勝手に桜ネタにしちゃいました。
宜しかったでしょうか?
お気に召さなかったらすみませんorz
織姫が桜を集めてたのはお部屋の雰囲気作りのため、ってことで。
わかりにくくてゴメンナサイorz
リクしてくださりありがとうございました!!