♪小説♪

□悲しみの連鎖
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貴方は今どこにいるの?
どうして私の手の届かない場所へ行ってしまったの?
隣にいないのはどうして?
幸せが遠い記憶に変わっていく・・。
どうして空は晴れてるのか。
どうして私の心は雨が降ってるのか。
時計の針は動き続け、確実に時は進んでいく。
残された私は一緒に歩む事が出来ず、無力な存在だというのに。
自分の意思で此処へ来て、貴方に恋して。
ほんの僅かな時間だったけどとても愛しいの。
素直になれなかった自分を今更悔いても遅いけれど、素直になってくれなかった貴方も悪いんだよ?
愛しい人が、誰よりも大切だった人が、存在を消した日。
私の記憶に永遠に刻み込めれた運命の日・・・。
私を助けに来てくれた初恋の人が、私から貴方を奪ってしまった。
本当だったら、私は彼のもとへと帰らなければいけない。
仲間のもとへ・・。
でも・・・、動けなかった。
倒れた貴方に震える足を動かしながら近寄ることが精一杯だった。
様々な感情が入り乱れて、喉の奥が熱くなっていくのを感じた。
頬には涙が伝っていた・・。
あのときの言葉、今でも覚えてるよ?


『俺はお前から奪ってばかりだ。自由も、笑顔も。・・・奪っておきながらそれは俺の手元には無い・・。何も与えてやれない・・。否、涙だけは与え続けている・・。お前は・・・もう自由だ、幸せを手に入れることができる。だから、笑え・・・。』


頬に添えられた手には血がついていて、私の透明な涙を紅く染めていく。
初めて一つになれたようで。
最期の瞬間で気持ちが通じたようで。
離すまいとして貴方の冷たい手を握ったね。


『・・・そうだよ、私から奪ってるよ。・・・私の心を・・。こんなに貴方を想ってるのに・・涙が溢れているのに・・・。手元にないなんて言わないで。私は貴方の傍にいるのに・・・。』


あのとき、既に深い眠りについてしまった貴方に私は言った。
二度と目覚めることがない眠りから貴方を起こす方法があるのなら私はなんでもしよう。
この悲しい涙を止められるのは貴方だけなんだよ?
どんなに言葉にしても届かない思い・・。
私が幸せになるには貴方が必要だった。
失ってしまった代償はとても大きいよ・・。


『織姫・・・』

『ウルキオラさん・・・』


もう一度あの頃に戻りたい。
もう一度名前を呼んでほしい。
神様、もしあのときに戻れるなら私に勇気を下さい。
ちゃんと伝えるから。
『好き』と伝えるから。
悲しい結末に向かわないように、ハッピーエンドを用意するから。
今の私は貴方の望む幸せの中にいるのかもしれない。
黒崎くんと一緒になって、家族ができて。
でも・・・。
忘れられない貴方との思い出。
家族に向ける笑顔が偽りで出来てるような気がするの。
もう、本当に笑えることなんてないのかもしれない。
貴方のために流す涙は本物だというのに・・・。


「ウルキオラ、さん・・・。」


呟く貴方の名前。
返ってくることのない返事を私はいつまでも待つのかもしれない・・・。
偽りの幸せの上を、悲しみが通り過ぎることはない・・・。





■END■




アトガキモドキ
ウル織ですよ?これ。一応。
ウル→←姫で、現在は一織、みたいな。
セリフの『』のところは過去で、「」のところは現在のつもり。
わかりにくくてスミマセンorz
本誌に影響されて突発的に書いちゃいました。
ウルは姫が好きなんですよ!
もうね、それが言いたかった。
絶対にこの駄文じゃ伝わってないと思いますが・・・orz
悲恋、死ネタは嫌いじゃないんですよね。
またこういうの書きたいなー。


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