□小説□

□Please love me
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「愛してます。ウルキオラさん…。」


織姫は目を閉じながら自分の頬をウルキオラの冷たい手のひらで包み込ませるようにあてがった。
織姫の目の端から零れ落ちた雫はそのまま一直線に下りウルキオラの指先を濡らしていく。
その涙の意味を知ってか知らずかウルキオラはもう片方の手のひらも織姫の頬に添えると優しく口づけた。
その柔らかさは残酷に織姫の心へと響く…。


「私…ダメだってわかってても…やっぱりウルキオラさんのことを愛してます…。」


目を閉じ瞼の裏に浮かぶのは仲間たちの顔。
自分の気持ちを認めるということは彼らを裏切るのと同じことだ。
それでも偽れないウルキオラへの想いは溢れだす涙同様に止めることはできない…。
どうか、今の口付けが彼の気持ちだというなら…。
どうか、今だけは私たちを許して…。


「ウルキオラさん…」

「なんだ…」

「私を…愛してください…。」

「…あぁ…。」


真っ白なシーツに二人でシワを作るように倒れこんだ。
早く愛し合いたい。
早く想いあいたい。
早く繋がりたい。
その一心で二人は重なり合った。
衣服なんてとうに脱がされ直に体温が感じられていた。
全裸状態で胸元を隠すように腕を組んで織姫はウルキオラを見上げる。
その視線を受け止めながらウルキオラは織姫の長い髪に指先を走らせた。
細い髪を梳きながら織姫を見つめる。
どちらも何も喋らない静の世界に、二人の吐息だけが微かに響いた。


「織姫…お前はオレのものだ・・。」

「はい…。」

「ずっと傍にいろ…。」

「…はい…。」


織姫の返事を合図にするかのようにウルキオラの愛撫が始まった。
甘く優しい口付けはところどころに紅い華を咲かせていく。
胸元にも自分の華を咲かせると、そっと織姫が組んでいた腕をどかした。
溢れんばかりの二つの膨らみを手の中で楽しんでいく。


「あ、ああんっ…んぁ…ッ…!」


胸の頂上を舌先で転がせば、織姫の妖艶な声が漏れた。
その声はウルキオラを体の芯から疼かせる。


「そ、んなに…そこばかり…しないで………ぁぁんッ…!あ、あ、ぁんッ…はぁ、…んっ…ぁぁん…!」


ウルキオラは織姫の望み通り胸への愛撫を中断すると、下半身へと指を這わせた。
一層強くなる織姫の嬌声。
指の腹で擦るように刺激を与えると、とろりと中から蜜が出始めた。


「んんッ…!あぁ…!…はぁん…っ…ぁぁんっ…!」

「ずいぶん感度がいいんだな…。」

「そんなっ…ことな、いです…ッ…!ひゃッ…んぁ…ぁん…!ああッ!ああんっ…!」


充分に濡らしていくウルキオラ。
肉芽を押し潰すようにすると、悲鳴にも似た織姫の声が聞こえてきた。
迎え入れる準備が整ったのを確認すると、織姫の秘部へと自身をあてがう。


「織姫…。」


一度名前を呼ぶと、なんの予告も無しにウルキオラは侵入した。
狭い中をぐいぐいと進んでいく。


「あああっ!あ、あ…んぁ…ッ…はぁん…ぁん…!」

「俺たちは今…繋がってるぞ…。」

「すごく…幸せです…。」


織姫の額に一つキスを落とすとウルキオラは動き始めた。
深く繋がるように、ずっと織姫という存在を感じられるようにと腰を動かす。
いつの間にか繋がれていたウルキオラと織姫の手は強く結ばれていた。
絶頂が近づくと爪が食い込むのではないかと思えるほどに固く絡まりあう。


「あ、もう…ダメぇ…!」

「…ッ…!」

「ああんっ…!ぁんぁんッ…ああ…っ!」


迫りくる快楽に素直に溺れる二人。
ウルキオラは寸でのところで外に自分の欲を吐きだした。
それは織姫のお腹へと飛び散り、ゆっくりと滴っていく…。


「こんなに満たされるものなんですね…。」


その言葉にウルキオラはほぼ無意識に織姫を抱きしめていた。
『自分も満たされた』と。
そう言葉で伝えるのは難しいから。
そんな簡単な単語で済んでいいようには思えなかったから。
抱きしめることで少しでも伝えたかったのかもしれない。
ウルキオラの腕に抱かれたまま織姫は眠りについた。
そのあとを追うようにウルキオラも目を閉じる。
最後に瞳に映し出された織姫の寝顔はどこまでも悲しそうで、どこまでも幸せそうだった…。




■END■




アトガキモドキ
ちょっぴり切ない系のウル織を目指したんですがどうでしょうか?
甘いのもいいんですがこういうのも書きたくなったんでw


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