♪小説♪

□今はまだわからない
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「なんだ、起きていたのか・・・?」

「え・・・と、あの・・・今起きました・・・///」


まだ余韻の残る唇と、今この部屋には二人しかいないという緊張が混ざって、なんだか居辛い・・・。


もちろんウルキオラさんを直視できるわけもなくて・・・。



「・・・」


何も言わないウルキオラさん・・・。
でも視線を感じる・・・。



私から何か言ったほうがいいのかな・・・?

でも・・・
なんて言えばいいの・・・?



「あ・・・の///どうして・・・?」

「なにがだ?」



もちろんつい先ほどのことなんですが・・・。
もう忘れちゃいましたか・・・?



「だから・・・なんで・・・私に・・・」



最後まで言えない・・・



『キス』という単語を口にするのはこんなに難しかったっけ?


「したいからした。・・・それだけだ・・・。・・・忘れろ・・・。」



そっか・・・。
別に気持ちがあったわけじゃないんだね・・・。
悲しむ理由なんてないはずなのに・・・


心が痛むのは何故・・・?



「私たちの世界・・・・・・現世ではね、想い合う人たちがする愛情表現なんだよ・・・。『キス』って。」



心理とは裏腹に顔に笑顔を貼り付けて言う。


さっきは言えなかった単語が不思議と簡単に口にできた。


きっとさっきは意識し過ぎちゃったんだね・・・。



「だから・・・なんだ・・・。」



そんなに冷たく言わないで・・・。
私だって今いっぱいいっぱいなんだから・・・。

さすがに笑っていられなくなってきた。





「俺たちに・・・『心』などありはしない・・・。だが・・・お前に対してはハッキリとしない感情を抱いている・・・。」


「・・・え・・・?」


「二度言うつもりはない。」





聞き返したくなっちゃうよ・・・。


だって・・・
それじゃまるで・・・。

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