◆小説◆

□アイソトープな彼ら
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かごを持とうとしたら妖一が言葉も無く私から奪い取ってきた。
少し驚くが、抗議の言葉なんてあるわけが無い。
それは妖一の優しさだと見に染みてわかっているから。


「とりあえず、今日のぶんだけ買っとけばいいかな?」

「そうだなー、この間みたいに大量に買われたら持って帰るとき重くてしょーがねぇしなー?」

「あ、あれは、その・・・二人分の食事の量がわからなくてどれくらい買ったらいいのかわからなかったんだもの・・・!」

「まぁ最初はそんなもんだろ。徐々に慣れていこうぜ、まもり。」

「・・・///」


何度言われてもやっぱり慣れない。
今まで『糞マネ』とか『姉崎』としか呼ばれてこなかったのに、結婚した途端『まもり』だなんて・・・。
恥ずかしい・・・///
しかも私が恥ずかしいのを知っていて、わざと『まもり』と言うときだけ優しく言うもんだから堪ったもんじゃない。
まったくこの悪魔は・・・。


「・・・で?何食べる?」

「なんでもいいぜ。お前が作る料理は全部美味ぇから。」

「・・・ありがとう//なんか嬉しい・・。妖一に褒められると落ち着かないよ・・・。」

「お前それくれぇで赤くなんなよ。俺たちもっと恥ずかしいこと、してるよなぁ・・・?」

「ちょ、ちょっとッ!!」

「あれぇ?余計赤くなってんぞ?どんな妄想してんだか・・・?」

「〜〜//妖一のバカ!」


さっさと歩き出して野菜売り場から移動した。
後ろから妖一が靴音を響かせてついてきてくれてるのがわかるかる。
きっと面白がって笑っていることだろう。
悔しいから絶対に振り向かないけど。
前回の失敗をいかし今回は計画的に買い物をしていく。
かこごの中の商品は少なすぎず、多すぎず。
これくらいなら持つのも楽そうだ。
さっさと会計を済ませ、袋に詰めていく。
隣では暇そうな妖一が荷物を詰めていく作業を見ているが、そんなに暇なら一緒に入れて欲しいもんんだ、とも思う。
まぁ、言わないけれど・・・。


「やっと入れ終わったか。じゃ帰んぞ。」

「ねぇ、少し遠回りして帰らない?」

「てめぇ・・・人に重いほう持たせといてよくそういうことが言えるな・・・。」

「あら、持たせたなんて人聞き悪いわね。妖一が自分から持ってくれたんじゃない。」

「そりゃ、『こっちは飲み物とか入ってるし重そう・・・。こんなの女の子が持つものじゃなわね・・・。』って隣で囁かれたらこっち持つしかねぇだろ・・。」

「ちゃんと聞いてたのね。まぁ、わざと聞こえるように言ったんだけど。」


入れ終わったと同時くらいの私の独り言をちゃんと聞いていてくれたのがなんだか嬉しくて。
もっと一緒にいたいと思ってしまったんだもの。
歩いたら10分しないくらいでマンションに着いてしまうだろう。
10分なんてあっと言う間だ。
結婚してからは一緒にいる時間が増えるだろうと思っていたが、どうも思ったとおりにはならなかった。
仕事で一日の大半を外で過ごしてしまう妖一を、家でひたすら待つ私。
寂しくないと言えばやはり嘘になってしまう。


「あれ?妖一?そっちって道違うわよ?」

「誰かさんが遠回りして帰りてぇって言うからな・・・。」

「・・・ありがとう。」

「ドウイタシマシテ。」


感情を込めてお礼を言ったのに帰ってきたのは無感情な響き。
それが照れ隠しだと気付いたのはいつだったかしら?
夕日が作り出す長い影を見下ろしながら学生時代を懐古した


「この影もいつかは3つになるのかしらね・・・。」


私たちの間で手を繋がれながら歩く小さな、でもきっと私たちにとっては大きな存在を想像してみた。


「・・・3つ?俺は4つ希望。」

「へぇ、妖一は二人欲しいんだ?」

「ケケケ、ガキは一人じゃ足んねぇだろ。」


それもそうね。
心の中で頷いた。
私と、妖一と、愛する我が子。
今でも十分に幸せなのにこれ以上の生活が近い将来待っているのかもしれない。
そう思うと自然と綻んでしまった。
その様子をばっちり見られていたようで、「なにニヤけてんだよ」と言われたが、私だって見たのよ?
妖一が笑ってるところ。
きっと考えていたことは同じ未来かもしれない。




***********



「え、もう仕事行っちゃうの?」

「あぁ、今日は少し早めに出るって昨日の夜言っただろう?」

「えぇ!?そんなの聞いてないわよ!」

「・・お前終わってすぐ寝てたからな。」

「えっ///…もう!起きてるときに言ってよね。」


せっかく朝ごはんを用意し終えたところなのに玄関に向かっていく我が夫。
昨日の夜のことを思い出し、頬が赤らんでいる。
それにしても・・・。
もう少しくらい落ち着いて話したりしたかったな。
朝ごはんくらい一緒に食べてもバチは当たらないだろう。
エプロン姿のまま見送りに玄関に向かうが、いつにも増して足が重い。


「じゃ、行って来る。」

「あっ・・・」


無意識に妖一の服を掴んでいた。


「・・・どうした・・?」

「え、っと・・ごめんなさい。なんでもないの。」


さっ、と手を引っ込める。
呼び止めるつもりなんてなかったのに勝手に動いていた己の身体。


「お仕事がんばってね。行ってらっしゃい・・。」


精一杯の悪足掻きとして掠める程度の口付けを。


「・・・行ってらっしゃい。」


再度同じことを繰りかえす。
これで本当に夜までサヨナラだ・・・。


「・・・ッ」

「え?妖一・・?」


抱きしめられていた。
きつく、腰に回された腕はどうやら放すつもりは無いらしく、このままでは仕事に遅れてしまうのではと戸惑ってしまう。


「・・・ごめんなさい。余計なことしちゃって・・・。仕事遅れちゃうわよ?」

「・・・いいさ、別に。」


顎を掴まれ上を強制的に向かされると、視線と視線が絡まりあった。
そのまま迫ってくる唇を受け入れ、抗うことなく身体を預けた。
侵入してきた舌を迎え入れ、自分もそれに絡ませる。
深く突っ込んでくるから胃の中まで届くんじゃないかとさえ思った。


「んッ・・・ぅ・・・!はぁ・・・。」


思わず身を離した。
息を落ち着かせると同時に胸をまさぐられた。


「ちょっと、妖一・・・ぁんッ・・・ここじゃ、ダメだよ・・・。」


必死に声を漏らさないよう努力するが、玄関の向こうにまで聞こえてそうで変に緊張してしまう。
いつの間にかエプロンははずされ、滑り込むように服の中に手を入れ直接胸を揉まれた。
ずらされたブラはホックがとまってるせいで無駄に締め付けてくるだけで、胸を隠すとか、そういう役割を一切果たしていない。
たくしあげられた服、スカートのチャックが下ろされる音。
どんどん裸に近づいていってる。


「あんッ・・・!ひゃぁっン・・・んぅ・・・はぁっ・よ、ぃ・・・ち・・・。んッぁ・・・吸わないでぇ・・・ぁんぁんッ」


一通り胸を揉み終えると、飽きてしまった子供のように次なる玩具として乳首を集中攻撃。
片方が吸い上げられたら、もう片方も。
その間指で押し潰すように下のほうにも刺激が与えられていた。


「ひゃぁあんッ・・・!ぁ、ぁんッ・・・はぅ・・・ぁんッ・・あん、あん、そこ・・ァッ・・・!・・だ、め・・・ぁぁん・・」

「柔らけぇ…。下も濡れてきてるぜ?」

「・・・言わないで///」

「簡単に指入ったぜ・・・。」

「んッ・・・もう///・・・ぁんッ・・ぁぁん・・・はぁ」


暴れまわる妖一の指は簡単に私の力を抜いていった。
支えてもらわなきゃ立てないほどで、妖一の支えがなくなった瞬間床に座り込んでいた。
火照った躯に床の冷たさが丁度よかった。
乱れた服を直そうとしたが、妖一がそれを許さなかった。
そのまま剥ぎ取るようにすべて脱がされ、足を広げるよう言われた。
かすかに残る羞恥心が足に力をこめるのを拒否するが、耳元で「一つになりたくねぇのか・・・?」なんて言われたら大人しく開くしかない。


「あぁぁんッ・・・!!」


静かに中に入ってくるソレを、声を上げて喜んでしまった。
前後に動くたびに乾いた音と卑猥な音が協和する。


「ぁぁんッ、あン・・、はぁぁんッ・・・ん、ん、ぁぁん・・・ッん・・」

「お前の中、気持ちいいぜ・・・。」

「あぁんッ・・・もっと、もっとぉ・・・んッ・・!」


妖一の首に腕を回して、ぴったりと密着する。


「す、ごい・・・ぁぁんッ、も、・・・あ、あ、ぁんッ・・・ぁぁっ!」

「もうイったのかよ・・。」


果ててしまった。
キスを求めるように見上げ、妖一の顔を引き寄せた。
ひかれあう唇。
果てた余韻の残る中、この優しい口付けは頭で一切のことを考えることを停止させる。


「・・・!」


大きくなったままの妖一が再び動きだした。
押し寄せる快楽は生半可なものではない。


「んッ・・・んん・・・!・・っ!」


頭をがっしりと押さえられてるせいで深い口付けから解放されず、行き場を失った嬌声は口内で消えていった。
限界が近いのか、妖一は動きを早めていく。


「く、ぁ・・・出そうだ・・・!」

「はぁ、ぁぁんッ!・・・ああ、んッ・・ぁんぁん・・!ああっ!」


・・・熱いものが流れ込んできた。
一緒に床に寝転がり、真っ白な天井を見ながら、どちらからともなく手を繋いでいた。


「朝からしちゃうなんて・・・。」

「てめぇが悪い。あんな顔で見られたら我慢できるわけねぇ。」

「仕事、どうするの?」

「あー、休みだな。今日は一日ずっとお前といてやるよ。・・・子作りのために。」

「え、ちょ、ちょっとっ!」


起き上がった妖一は私の上に跨るといつもの笑顔を浮かべながら、「ガキは2人くらいだな、ケケケ!」と楽しそうに言ってきた。
首筋を這う舌の感触がぞくりとさせる。
きっと妖一のしるしがつくのだろう。
テーブルの上にある朝ごはんはお昼ご飯にかわってしまうのかな。
頭の片隅でぼんやりと考えながら、妖一の愛撫に感じている自分がいて。
こんな朝もいいかもしれないと、いつもの私なら思わないようなことを思っていた。
暫くはこの温かさを楽しむことに専念しよう・・・。





24時間体制で感じてるの!




アトガキモドキ
大変お待たせしました、蒼龍様orz
リク内容満たせてますでしょうか?
新婚・甘・裏・・・。
新婚って、どんな感じなんだろうと思っていたらなんだかスーパーでのほほんと買いものしてるイメージしかでてこなくて、二人で夕飯の買出しに行ってもらいましたが・・・。
これで新婚・・・っていうのはまた微妙になってしまいましたorz
甘・・・くなってますかね?これ・・。
微糖ってところですね、はい・・・スミマセンorz
裏・・・もまた微妙ですよねー・・・。
文章力が欲しい。語彙が欲しい。
こんな駄文を一ヶ月以上も待たせてしまいスミマセンでしたorz
4万リク本当にありがとうございました!


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