□小説□

□悪戯の結果
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「あっ…!」

「やったぜー!今日はリクオが引っかかった!」

「あーあ…。今日は僕が引っかかっちゃったみたいだね。」


リクオとつららが教室に入るために扉を開くと、頭上から黒板消しが落ちてきた。
一昔前の悪戯が何故かリクオのクラスでは流行っていて、それを十分知っているはずなのに教室につくまでそのことを忘れていた。
原因はつららと楽しく会話を弾ませていたことかもしれない。
隣にいるつららの顔を見るのに精一杯で、頭の上のことなんてまったくと言っていいほど意識していなかったのだ。
リクオは犯人を探すでも怒るわけでもなく、自分の頭についた白い粉を掃った。
どうせ犯人といってもクラス全体が共犯者なのだから探す意味は無いし、これはただの遊びにすぎないのだから怒る必要もない。
そう思ったリクオはクスクス声が聞こえる中、自席へと向かいながら頭の粉を掃う動作を続けていた。


「大丈夫ですか?」

「うん。でも粉がついてるかどうかわかんないんだ。まだある?」

「確認したいんですけど…私の身長じゃリクオくんの頭を見上げることはできても見降ろすことはできません…。」

「あ、そっか。ごめんごめん。」


つららが申し訳なさそうにそう言うと、リクオは椅子に座りつららに粉がついているか確認にしてもらった。
リクオの髪をつららの指先が滑っていく。
ひんやりと冷たい指先が頭皮に触れるたびに体がぴくりと反応してしまいそうになるが、なんとか堪えていた。


「ねぇつらら。」

「はい?」

「つららも座る?立ってるのつらくない?」

「大丈夫ですよ?それに私まで座ってしまったら高さがさっきに逆戻りですよ。」

「うん、だからさ…こうやって…」

「え?…きゃっ…!」

「ね?これならつららのほうが高いでしょ?」

「でも…こんな体勢で…!」


リクオは自分の髪を弄っていたつららの手を引っ張り、腰を抱きよせるようにして己の膝の上へ座らせた。
突然引っ張られたことでバランスを崩したつららはすっぽりとリクオの膝の上に収まる。
確かにリクオの膝のぶん、つららのほうが目線は高いが先ほどよりも確実に距離が0に等しい。


「ね?これなら問題ないでしょ?粉を掃ってもらえるし、つららも疲れないし。」

「ふふ、そうですね。」


無邪気な瞳でつららを見上げるリクオを見て、つららは思わず小さく笑んだ。
そして粉を掃う動作を再開する。


「どう?取れた?」

「あとちょっと…・・はい、もう大丈夫ですよ!あ、でも…。」

「どうしたの?」

「リクオくんの膝が心地よくて…もう少しこのままでもいいですか?」


リクオは返事の変わりにつららの腰に回していた手に力を込めた。
ぴたりと密着し合う二人。
別に恥ずかしかるわけでもなく、まるで当たり前かのようにそのままでいる。
そんな2人の一部始終を見せられていたクラスの人間は、最初こそは悪戯が成功して笑っていたが、今では顔を赤らめながら二人を見たり中には嘆く者もいて。
周囲の喧噪を気にするわけでもなくリクオとつららは先生が来るまでそのままの体勢でいた。


「家に帰ったら今度はつららが膝枕してよ。」

「はい、私でよければ喜んで。」










密着は常のこと





■END■



アトガキモドキ
コメを参考に書いたリクつらです。
実際教室内でこんなことをしていたら大変でしょうね。
特にカナちゃんがw
あ、あと島くんなんか発狂しそうw


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