◆小説◆

□世界最恐と謡われますは
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「妖一っ!起きてー!!」
何やってんだコイツ。
なんで俺の上、に
姉崎 アンダー イズ 俺だ 糞。




世界最恐と謡われますは



「話しは聞いてやるからどきやがれ」

「どいたら妖一寝ちゃうでしょ?駄目駄目早く起きなさい!」

断固として退く気がないこいつは俺の上に陣取っているが女を持ち上げるのなんて容易だ

その細い腰を両手で鷲掴みひょいと横にやれば人形のように素直に床へダイブ

姉崎と共に床に落ちたブランケットを拾い上げ姉崎の頭についた埃や糸屑を払う
「痛いっ」
「我が儘ゆーな」

壁掛け時計を見れば短いはりはもう10を指していたので昨日の試合の疲れを背負った身体を起こした

「………よういっ!!」

「ケケケ、テメーあんだけ暴飲暴食してるくせに軽い軽い、姉崎サンはいいデスねー」

床にへたられていると面倒なので肩に担いでリビングまで運ぶことに決定。

「歩けるってば!歩けます!」

アメリカの家は日本と違って土地が広く取れる、白を基調とした廊下は担いで渡ってもまだ余裕があった。
「とかいって担がれてんの誰だよ」

「歩けるって言ってるじゃない!」

「へいへーい」

聞いては見たものの降ろすつもりなどは元から無いので何も事態は変わらないのだが






「で、何だよ」

「え?何が?」

おい

テメーが言いたいことがあるとかどーとか言っといて忘れるとは良い度胸してんじゃねーか姉崎まもりサン?

「そのドタマに銃弾突っ込んで思い出させてやろーか」

「あっあ、思い出しました思い出しました。てゆーか突っ込まれたら他のことも忘れちゃうよ」

コーヒーは熱を引かず湯気を漂わせる。
姉崎の顔からも熱は引かない。

「あのね、アメリカに来て半年経ったのよ」

「だから?」「鈴音ちゃん達から手紙が来てたの!」

アメリカに来てから買った黒のキャビネットの上に置いてある赤と青の封筒はまだ封を開かずに綺麗に置いてあった

姉崎は端を鋏で丁寧に切っていき便箋を取り出す

「読んであげるね」

「好きにしやがれ」

「えーおほん………」

姉崎の口元は小さく笑い、まるで小学生のように、嬉しそうに読み始めた。




“Dear まも姉 妖兄!
二人とも元気かな?アメリカに行ってからもう半年も経ったんだね、つい昨日のことみたいって思っちゃうよ!

そうそう、スーパーボウルも頑張って夜中に起きて見たよ!妖兄やっぱりかっこよかった!まも姉は相変わらずマネージャーとしてサインとかは健在だったね:)

あたしもセナが大学リーグの試合が多くてなかなか暇な時がないんだけどいつか絶対二人のお家に行くからね!泊めてね;)

今のところセナとあたしの大学のライバルチームはなんとモンジの大学チームなんだよ!どっちにも頑張って欲しいなあ、

あ、でもモンジは前より女の子に……ははは、これは今度話すね!

あたしはセナともちゃんと仲良くやってるよ、まだセナのへたれっぷりは直らないけど………

やー!絶対絶対返事書いてね!またね!
from 鈴音”


「セナも鈴音ちゃんも十文字くんも皆…頑張ってるんだね」

「とりあえずテメーの今後の予定は?」

「買い物行く?」

「ちげえだろ」」

ソファーに座って雑誌を捲るこいつを組敷くとこいつは小さく“え”と呟いた

「よ、妖一 くん…?」

「次糞チビ達に会う前に家族増やしとくか」

「ふえぇ?わた、私買い物に………」

「別に良いだろ」

無理矢理キスをすれば簡単に身を委ねるのは知っている。

まぁこんな感じで
半年記念日は家で過ごした。

夜になり机に凭れて返事を書くまもりの姿は疲れていて、幸せそうだった。


そのまま窒息して死ぬがいい!







****


素敵なヒルまもでもう悶絶ですよコレッ!!
幸せそうな二人見て私も幸せな気分になれましたw
素晴らしいッス☆

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