poem

□ねぇ、これは小さな嘘?それとも、
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【今、彼の目に。】


暗い路地歩く一人の少年
今、彼の目には
何が映っているのだろうか

森を奥深く進んだその先に
少年はいた

たくさんの木々に囲まれた
その中心に

彼は独りだった
寂しくは無かった

けれど、何か物足りないと
ある日感じてしまった

だから彼はある日外にでると決めた
ただ当てもなく
その何か、を捜す為に。


やがて彼が走りついた先は 
小さな 小さな 街でした
暗い路地を進んでいく彼。
彼はいったいどこへいくつもり?

大きな道に、やっと出て
辺りを見渡す少年。
ほら、みんなが君を。

にらむようにみているよ。

「僕は何かした?」
かわいそうな少年。
「ねぇ、なにかした?」
君は何もしてないよ、

ただ、皆が君を睨んでいるだけさ。


「邪魔」そう道で君は突きとばされる
「死ね」そう道で君は言われるのです
おかしいね、君は、
何もしてないというのに。

少年は森に、帰りたいと
強く強く想いました。


無我夢中で君は走った
森に向かって。
あの美しい森に。

でも。
森は、君がいない間に
すっかり荒れ果ててしまったんだ。
「どう、して?」
彼は声を上げて泣きました
彼の居場所は無くなったのです


少年はまた、走り出した。


また、小さな 小さな
街に着いた

人々は彼を睨んだ




彼はまた、走り出した。



果たして今、彼の目に映っているのは


あの 美しかった 森か
あの 荒れ果てた 森か
あの 街々の人の 姿か
あの 人々の酷な 目か

今、彼の目に。
映りしモノは・・・?



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