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□Wanna be like a MAN (cp)(未完)
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きっかけは、神田が持ってるうどんだった。

ダンスフロアから近い学食で食事を採るのはほぼ慣例。
別に示し合わせてるわけじゃないけど、お昼はもちろん空きゴマがあったり授業サボる時なんか、大体みんながここにいて好きに寛いでる。
(みんなっていうのは、僕たちが所属しているダンスサークルの人達。)

そんなわけでこの日も神田と僕、ウォーカーは一緒に昼食を食べていた。

「はぁいお二人さん!
俺も一緒食ってい?」

言いながらやってきたのはラビ。
彼もサークルメイトだけど、ラビの場合はたまに他の場所で昼食を採っているから、あまりレギュラーではない。
食ってい?と文法だけは疑問形でカツ丼をそのまま神田の隣に置いて、あらまー今日もユウちゃんはヌードルしばりなのね、とそればかりは殆どレギュラーなセリフを言う。

「いっただきます」

一瞬だけの合掌と、日本文化を色濃く反映させる一言。
見た目はそのまま完全な外国人だから、ラビがそれをすると一連の動作の中で目立つ。

元々ラビは食前食後に何かする習慣がなかった。
すぐにスプーンをひっ掴んで食事をしたし、食べ終わればさっさと片付けるか、いつまでも放置しておくかだった。
それぞれの文化に優劣をつけるようなバカな真似はしない僕らだから、彼のそういう食事スタイルに特に疑問も持たなかった。
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