ネタ・小噺

□ボンゴレが探偵に復活した
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【それぞれの軌跡】


*大空*

その子供は、一族に待望されていた。それというのも、元は貴族の血を引くイタリアの富豪「フィルマメント」の後継となるからだ。
そうして生まれた子供は、周りの期待以上に優秀に育った。10歳を超えた頃には、叔父が社長である大企業フィルマメント社の仕事に携わるほどである。
そしてこの子供、母親が日本人とのハーフだったためか大の親日派で、わがままと言えないほどささやかな願いは、いつも日本に関するものばかりであった。
「あと少しかぁ」
「僕はまだ戻りませんからね」
「でも呼んだら来てくれるんでしょ?」
「誰もそんなことは言ってません」
「うん、知ってるよ。ありがとう」
「だから違うと言っているでしょう、綱吉君!」
その子供の名前は、チェリオ・綱吉・フィルマメント。この春から、念願の日本での生活が待っている。



*嵐*

日本の大企業鈴木財閥には、本家だけでなく分家もある。現会長である鈴木次郎吉の孫は3人。本家の孫娘2人と、分家の孫息子1人だ。3人とも良い子に育ったと次郎吉は思う。その中でも、孫息子は分家でありながら能力も礼儀作法も申し分ない。本家で無いことが少々悔やまれるほどだった。
そんな次郎吉や孫娘当人を含めた周りの考えなどお構いなしに、本人は常に全力で生きている。やりたいことは大切な人を見つけること。将来の夢は大切の人の右腕。
今日も今日とてその大切な人のために自分を磨いているその孫息子の名前は、鈴木隼人。この春には、帝丹高校2年生に進級する。



*雨*

米花町の高級住宅街にあたる2丁目には、美味しいと評判のお寿司屋さんがあった。近辺に飲食店もスーパーもないこの辺りでは、特別な日はこの「竹寿司」へ行くのが習慣。そこの一人息子は看板息子として有名で、小さいながら父親を助ける姿は、客の間でも名物となっていた。
そんな一家に悲劇が起きたのは一人息子が中学3年の時。旅行に行った両親が事故で亡くなったのだ。それから彼は一人暮らしをしている。
大好きな両親を失ったことをきっかけに、かけがえのない仲間と再会を果たしたその一人息子の名前は山本武。この春には、米花高校2年生に進級する。



*雲*

国家公務員である警察。その警察庁長官には、亡き妻そっくりの美人な息子がいた。この息子は気づけばひとりでに成長していて、気づけば東都大学を首席で卒業していた。そんな息子が警察官となったのは、父親の何気ない一言がきっかけだったらしい。
けれどその優秀な息子は、人の下は性に合わないとさっさと警察を辞めた。それから気づけば警備会社「風紀財団」を立ち上げていた。なぜ「風紀財団」かは今でも謎である。
そんな自由に立ち回る息子の名前は雲雀恭弥。年齢不詳な彼は、季節や年など関係なく、いつものように何物にもとらわれず自由に行動する。



*霧*

杯戸町にある霧生家には、子供が2人いる。兄は中学卒業後、優秀な頭脳を生かしてヨーロッパへと留学した。妹との仲は良好で、今でも妹とはよく連絡をとっているらしい。
そんな兄とは反対に、妹は両親とともに普通の生活を満喫していた。眠りにつけば兄だけでなくもう一人の大切な人とも会える彼女は、側に居たいとは思いながら不満は無かった。
そんな霧生家の兄の名前は椋斗(ムクト)、妹の名前は凪。この春から、兄はまた足取りを掴ませぬまま過ごし、妹は江古田高校2年に進級する。



*晴*
学生時代より世界で活躍するボクシングの選手が日本にいた。そこまで身体が大きいわけでは無かったのに、初試合から無敗を誇っていた。
そんな彼が初めて世界チャンピオンになったのは、10年近く前のこと。無敗伝説は今でも続いており、ボクシングファンのみならず、世界中の人々を魅了した。
そんなチャンピオンの名は安室了平。30歳を目前とした彼は、知り合いの家に居候している。その知り合いを養子にするか、最近本気で考えている。



*雷*
米花町のとあるマンションには、国際結婚した夫婦がいた。日本人の旦那と、イタリア人の奥さんだ。この奥さん、見た目は完全に外国人なのに、長年日本に居たせいか日本人より日本に詳しい。教員免許も持っているほどだ。
知識量でいえば、旦那も負けていない。東都大学で教えているだけでなく、教育委員会にも属していて地位もある。ちなみに専攻は物理である。そんな夫婦の一人息子は、子供らしいのにとても大人っぽく、忙しい両親の手助けを自らするほどだった。けれど度々空を見あげてボーっとしているのを見かけ、両親は密かに心配している。
そんな子供らしくない面をもつ息子の名前は、神成ランボ。この春から帝丹小学校に入学する。




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