Long*hate story b1

□【LOST】 fact
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今まで私が生きてきた理由。

──それは母さんが居たから。



母さんが「母さん」ではなく「おばさん」になったとしても、母さんが、私の母さんであったという事実は変わらない。私が信じ続ける限り、母さんはそれ以外の何者にもならない。かつて優しく笑いかけてくれたあの母さんと、違う人にはならない。何時だって、あの人はたった一人の母さんだ。


そしてその事実は、支柱だった。何が起きても動じず居られる為の、支え。今まで自分を見失わずに居られたのはこのおかげだった。



…そんな母さんの、存在が欠けた。





私は…私はどうすればいいんだろう。何を頼りにすればいいんだろう。どうやったら、胸を張って生きていけるんだろう。


何もかもボロボロと零れていって。ぽっかりと空いた穴を埋めるものはまだ無い。


…こんな泣き言口にしたら、雲雀さんは幻滅するのかな。弱い奴だと、軽蔑されるのかな。雲雀さんは頼るべき時は頼るべきだと言ったけど、実際他人に頼る私を雲雀さんがどう思うか、不安だった。



……でも、今回は。今回だけは。
雲雀さん、頼っても…いいですか。





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