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□フラスコの中の小人(ホムンクルス)
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「北の村が襲われたんだって!!」



村が襲われた次の日



ホーエンハイムがいる村では騒ぎになっていた




「一人残らず殺されたって」




「この前は西の村だ...!」




村の民は次はこの村なのではと恐れていた




「酷い話だ...」




「...大変だねぇ」




ホーエンハイムはこの本当の目的は知らない




知っているはずのホムンクルスは




知らないふりをしているのか




この状況を傍観しているだけだった




そして日ごとに、いたるところの村が襲われていった




そのたびに沢山の血が流れる




襲われたのは今で5つの村だった...。




このとき、砂時計の砂は全て下へと落ちたのだった





――――――――




時は経ち、ある日




ホムンクルスはクセルクセス王の場所へと運ばれた




「陛下
念願の練成陣が完成いたしました」




床に伏せていた王が起き上がる




「うむ...長かったな
ようやくだ
これで...良いのだな?」




「あぁ
不老不死になれるよ」




その言葉を信じ、5つの村で血が流れた後




練成陣は完成し




そして実行の時が来た




クセルクセス王は中央に立ち、




置かれている壷の前で指を斬って、血を垂らした




その様子をなんとも言えない心境で



眺めているホーエンハイム




「凄いな...国王が不老不死になるんだ」



「清喜の瞬間って奴だなぁ」




ホムンクルスはニヤリと笑って




ホーエンハイムと様子を眺めている




するといきなり沢山の黒い手が地面から湧いた




その場にいた全員が驚いてソレを見上げている





「不老不...」




「うぉぉぉっ!!
ぐおっ!!」




突然苦しそうに声を上げた僕(しもべ)達




次々と皆倒れてゆく




「どう言う事だ...うぐぁぁぁあっ!」




ついに国王も倒れてしまった




「中心にいる我々には害は及ばない...と」



「な...なんだ?
何が起っている?おい!ホムンクルス」




その状況を見て慌てたホーエンハイムが




ホムンクルスに聞いた




「錬成陣の真の中心は、
君が立っているここだよ」




「何っ!?」




ホーエンハイムを見て




不気味に口角を上げて笑うホムンクルス




「私の中の君の血を使って、
扉を開けさせてもらった
血を分けた家族、ホーエンハイムよ
今、君と私が全ての中心だ!!」




そう声が聞こえた瞬間




ホーエンハイムの足元が光って



目玉がギョロリと剥いた




そしてホーエンハイムはその中へ飲まれてゆく




神殿を中心に光りが広がり




国中の練成陣が発動された





「うわぁぁぁぁ!!!」




ホーエンハイムの体は白い空間へと苛まれ




体が分解されていった






























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