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□フラスコの中の小人(ホムンクルス)
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練成反応が終わった後




国は静けさを取り戻した




しかし...いつにも増して暗い国となった




―――朝



いつも通り朝日が昇った




目を覚ましたホーエンハイム




「陛下!!
ご主人様...!」




主人の首に手を当てて、生存を確認するが




「...!!
...死んでる...」




周りには、生きている者は誰もいなかった。




「誰か...いないのか...?
ウィラード!
メフィルヒト!
ラインマイル...!トーリュ!!
メイヨー!!!」




仲間の名前を呼ぶが



誰も返事をしない




そして、街を見渡した......




しかし、みんな倒れている




誰の声もしない...。





「誰か、返事をしてくれ...」



「無理だな、皆魂を抜かれている」




「!」




誰かの声がした



後ろを向くと




「国王陛下!!ご無事でしたか」




膝を着いて、頭を下げるホーエンハイム



「どうだ?」




そう言われて、何かが違うと悟ったのか




恐る恐る顔を上げて、相手を見上げた



「その身体、具合はいいか?」



「俺が...いる」




突然の事で状況が読めないホーエンハイム




目の前には自分ソックリの人物が




自分を見下ろしているのだ




「君の血の情報をもとに、
入れ物を作らせてもらったよ
ふぅ〜やれやれ...やっと自分の足で歩ける」




ホーエンハイムは目を見開いて相手を見た




「お前...ホムンクルスなのか...
どういうことだ!何をした!?」




「血をくれた礼に、
名を与えた、知識を与えた
そして、朽ちぬ身体を与えた」




「!
朽ちぬ......」




ホムンクルスはホーエンハイムを指差す




「自分の中に意識を集中してみろ」



ホーエンハイムはそう言われて集中した




すると、自分の中から幾百の人の声がしたのが分かった




沢山の人の叫び声が聞こえる...




「聞こえるだろう?
お前が不死身になるための
引き換えになった
この国のすべての人間の声が
まっ、半分は私がもらったがね」



ニヤリと笑うホムンクルス




ホーエンハイムは恐怖に苛まれ




放心状態に陥っていた




「協力感謝するよ、ホーエンハイム」




「うっ...わぁぁぁあああああ
ああああああ!!!!!!」

























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