月輝

□DEATH
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「座軸は?」



「未確定だ」



「オーイ
じゃあ俺ら
ドコむかってトばされてんスか?」




「それは満月に聞け
出るぞ
地獄蝶を放せ」




地獄蝶が3匹飛んだ




白哉が折りたたまれた紙を広げる




そこにはルキアの写真があった





「捕えよ
さもなくば殺せ」




「死神の仕事じゃ
ないスよね」




「...そうでもないさ」





尸魂界から出て、現世へと降り立ち




もう日が暮れた頃......




満月が視線をある人物へと向けた




恋次も白哉も満月が見下ろした先を見る




恋次が先へと出る




ゴーグルをかけて、相手の人物を見た




チキ...




「背面適合113!
神経結合率88.5!
マジかよ!
ホントに義骸に入ってんじゃねーか...
映像庁の情報なんか
アテになんねーと思ってたのによ...
...満月!案内ありがとよ!!
...朽木ルキア...
見ィ―――つ――――けた!」





恋次はゴーグルを頭に戻して




ニヤリと笑った




そう、目線の先にはルキアが独り




夜の町を走っていたのだ




その様子を申し訳無さそうに見つめる満月





「(いずれ離れねばならぬ場所なら
どれも枷にしかならぬ
思慕の情も
親愛の情も
友情も
面倒なことだ 本当に 本当に
ましてそれを羨む感情など
どれも死神には
必要の無い感情だというのに!!
...無様だ...朽木ルキア......!)」





ただただ、行く当てもなく




走りつづけるルキア





「――――私は―――...
少し...こちらの世界に
長く関わりすぎたのか...」





「イィエ―――――――ッス!!」




「煤I!」




「わかってンじゃねぇか!!」




ルキアはバッと後ろを振り向く




そこには、電柱の上で




刀を鞘から抜いている



死神が自分を見下ろしていた




「まァ
言い方変えりゃ
こうして現世に長居したおかげで
てめェはちっとばかし
長生きできたってコトだがな!
ルキア!!」





「...貴様...
恋次...!
阿散井 恋次か...!?」




ルキアは目を見開いて見上げた




すると




ボン!!!




刀がルキアのギリギリ前に振り下ろされた





「尸魂界からの追手が
背後に迫ってるってのに
考え事に夢中で声かけられるまで
気付かねぇってか?
いくら義骸の身とはいえ
二月三月でちいっとユルみ過ぎじゃねぇか!?」




恋次は地面に刺さった刀を抜く





「吐けよルキア
てめーの能力(チカラ)を奪った
人間はどこにいる?」




「な...何を言っておるのだ...?
義骸に入っておるからといって
力を奪われたとは
限らぬし...
ましてその力を奪った相手が人間などと...」





「人間だよ!
でなきゃ、てめーが
そんな人間みてーな表情してる筈が無ぇ!」





「――――...!」




ルキアは目を見開いた




「オレと同じ
流魂街の出でありながら
大貴族の朽木家に拾われ
死神としての英才教育を施された
朽木ルキアともあろう者がァ!」




恋次は刀をグッ!と握り締めた




そしてギロリとルキアを睨みつける




「そんな
人間みてーな表情(カオ)してて
いい筈が無ぇんだよ!!
なァ!
朽木隊長!」




ルキアの表情が一変して




サァッと血の気が引いた




後ろに気配を感じ振り向くと




そこにはルキアを見つめる白哉がいた





「―――――白哉...
...兄様――――――......!」




「...ルキア......」




「!!」




ギアン!!!





ドッ!!





ザザザザザザァッ!!!




恋次がいきなり刀を向けて




ルキアに斬りかかった




ルキアは瞬時に避けて、距離を捕る




ツーッと頬から血が流れた




「...“人間への死神能力の譲渡”は
重罪だぜ
その処刑を刑軍どもじゃなく
オレ達に任せたのは
上なりの優しさだろうよ
さァ
居所を吐けよルキア
オレ達はてめーを捕え
てめーから力を奪った奴を
殺す。
...庇いだてするなよ
わかってんだろ
さっきのも今のも
躱したんじゃない
躱させてやったんだ
次は、斬るぜ。」





恋次が刀を構えた




























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