月輝

□DEATH
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恋次が構えたまま



ジワジワと前へ前へルキアを追いつめる



ルキアは後ろへと一歩ずつ下がっていく




その様子を後ろから




表情一つ変えずに見ている白哉




「兄...そろそろ降りてきてはどうだ」




『......』




満月が後ろへと降り立った




「行かぬのか?」




『...私は案内を頼まれただけです』




「...そうか」




2人は恋次とルキアの方へ再び目を向ける




恋次が何度か刀を振るうが




ルキアはなんとかギリギリの所で避けきる




ルキアが跪いたところを見計らって




刀を振り上げた




しかし





「!!」




ドッ!!!




淡い光が恋次の横を掠った




先の黒い影を見ると、誰かが近付いてくる





『(あの時の...)』




「丸腰の女の子相手に
武器を持った男が二人がかり...
少女もいるようだけど...
見ててあまり気持ちのいいもんじゃないね...
僕はあまり好きじゃないな
そういうの」





石田が腕に包帯を巻いて




弓を持って現れたのだ




「...何者だてめぇ...!?」




「...ただのクラスメイトだよ
死神嫌いのね。」




カチャッと眼鏡を上げる石田だった




「...石田...」




白哉がスッと恋次の斜め後ろに回った




「貴様...
どうしてここに...」




「ただの偶然さ
朽木ルキア
君の気にすることじゃない
強いて言えば...」




石田が手に持っていた袋を見せる




「この24時間営業の
洋裁チェーン
“ヒマワリソーイング”に
夜中突然行きたくなったが
その支店がこの辺りにしかなかったから
こんな深夜にこの辺を歩いていただけのこと
別に死神の霊気を感じたから
気になって飛び出してきた事への
口実作りのために
わざわざウチからこの袋を持って
きたわけじゃないぞ」





「(うわぁ...
これはもうウソが下手とか
どうかという問題ではないな...
ていうかコイツ
本当はアタマ悪いのではないか...?)」






ザッ!!




「!」




持っていた袋が手持ちの部分から下が切り裂かれた





「ガチャガチャ
言ってんなよメガネ
質問してんだぜこっちは
“てめーは何者だ?”ってな」




恋次が刀を振るって、切り裂いたようだ




「まァ
こたえる気が無ェなら
それでもいいや
オレはてめーを先に殺すだけだ」





「!
まて恋次!
此奴は関係な...」




「何を言ってるんだ?
ちゃんと答えたろう
ただの朽木ルキアの
クラスメイトだ
死神嫌いのね」





「そういうのは答えてねぇって
言うんだよ!」





「.........
...石田雨竜だ
よろしく」




「...あ?
何だ急に?」




いきなり素直に名乗った石田に拍子抜けする恋次





「いや
そこまで言うなら
せめて名前ぐらいは名乗っておこうかと
思ってね
いかに死神とはいえ―――――...
自分を倒した相手の名前ぐらいは
知っておきたいだろうからね!」





石田はメガネを上げる





「...決定だ!
てめーは殺す!」




石田の言葉で火が付いた恋次




「止せ!恋次!!
石田!!」




ルキアが必死に止めたが




石田も弓を構えてしまったので




止めるに止められなくなってしまった





「兄は...止めぬのか?」




『?』




以外な言葉が白哉の口から出たので




白哉を見上げる満月





『...石田という奴ですか...?
止めようと思ったが
あいつがルキアを助けようと思ったから
止めるのは分が悪いかと...』




「兄らしくもないな」




『...そうですか?』




しばらく2人はずっと恋次と石田の戦いを見物していた




するとドンッ!と石田が地面に倒れた




「ほら
だから言わんこっちゃねェ」




「げほっ げほっ はぁっ」




「(...強い...!
此奴...また腕を上げている...!
止める事も...
ここから動くことすら
できなかった...!)」




ザッ



「さて...」




恋次が石田の上で刀を振り上げた




「そんじゃトドメといっとくか
死ぬ前によ――――く
憶えとけよ」




「――――――......」




「阿散井 恋次
てめーを殺した男の名だ
よろしくっ!!」





ザッ!!!





恋次が刀を振り下ろした




























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