月輝

□DEATH
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血がパタパタと流れ落ちる




「悪ィなガキ
これが“力の差”ってやつだ
斬魄刀は持つ者の霊力によって
大きさも姿も変わっていく
こいつが
オレの霊力の姿だ」




恋次は刀を見せてそう言う




黒崎の瞳はもう虚ろだった




「じゃあなガキ
てめーに個人的な恨みは無ぇが
現世の空気は合わねぇんだよ
そろそろ片付けて
帰らせて貰うぜ」




恋次は次の攻撃への構えを取る




それを立ち尽くして見ていたルキア





「(初激で力の差を思い知る
そうすれば自分の力量では
適わぬことを悟り
傷の浅いうちに
退いてくれるのではないか
そう願っていた
だが
一護はきっとそんな理由で退きはしない
そのことも分かっていた気がする
まだ動けるか一護?
動けるなら今からでもいい
逃げるのだ
早く
お願いだ
早く
逃げてくれ!!)」




恋次が走り出した




しかし一方でルキアも走り出していた




ドッ!!




ルキアは恋次の腕にしがみついて




攻撃を止めさせた





「な...
何してんだルキア
てめぇ!?
放せコラ!
てめぇ
これ以上罪重くする気かよ!?
放せ バカ野郎!!」





「に...ッ
逃げろ一護!!
立て!!
立ち上がって逃げるのだ!!
一護!!」




ガチャッ





「「!!」」




一護は落ちた斬魄刀に手を伸ばして体を起こした




「...なんだ
てめー
まだ動く力が残ってやがったのか...」




恋次はルキアを払いのける




「丁度イイぜ
死にかけの奴にただトドメを刺すのも
つまんねぇと思ってたとこだ
そんじゃいっちょ景気よく
派手に斬り合って
死んでくれ!」




「一護!!
立てるなら逃げろ!!
逃げるのだ一護っ!!
...一...」





『......』




黒崎は一向に動かない




微かだが黒崎の回りに風が起きていた




「どうした?
来ねぇならこっちからいくぜ」





サァァァァァァァ――――...





ボァッ!!!




黒崎の刀の柄の先の紐が弾けとんだ




『...!』




大きな風が巻き起こる




「!!
(何だ!?
この霊圧の上がり...)」




黒崎が顔を上げた




その瞳は...いつもの黒崎の瞳ではなかった




恋次は一瞬恐怖を覚える




そして黒崎は瞬時に恋次の後ろへ刀を振るって移動した




ブシャッ!!




恋次の肩が斬られた




「何......」




ドッ...ギヤッ!!




足を地に着いた黒崎は瞬時に




刀を構えて体制を戻す




「...だ
てめえ...!」




恋次が刀を構えるが




それよりも先に黒崎が動いて、恋次を刀でなぎ払った





ドンッ!!!!




恋次は後ろへ飛び下がったが




頭につけていたゴーグルが真っ二つに割れ





額から血が流れ出た




「(なんだ!?
何だこいつの
この霊圧は!?
こいつさっきまで死にかけてだじゃねぇかよ!!
どっからこんな力が
湧いて出やがる!?)」




黒崎はニヤリと笑っていた





「はっ!
どうしたよ!?
えれー動きがニブくなった
じゃねえか!?
急によ!!」




「(バカ言え!!
てめーが疾くなったんだ!!)」





「はっ
何でだかよくわかんねーけど
いい気分だ!今!!
傷の痛みも無え!
テメーに負ける気も
全然しねえ!!」





黒崎は笑っていた




「...!!」




ビリビリビリッ!!




「(くそ...ッ
この野郎が喋るだけで
メチャクチャな霊圧が飛んできやがる!!
重い...ッ!!)」





『...恋次はこの霊圧...
耐えられますかね?』




「...さぁな
耐えられねばそれは
兄の実力がそこまでだということ」




『...そうですね
(あいつ...正気を保ってないな...)』




白哉の隣で考えている満月だった





























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