月輝

□DEATH
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白哉が黒崎を睨んだ




「...聞こえねーよ...
...こっち向いて喋れ」




「(こいつ...まだ動けるのかよ...!?
ありえねぇ!
何だ コイツの
この生命力は...!?)」




「...そうか...
余程その腕、いらぬと見える」





ルキアが何かに感付き、走った




そして、黒崎が掴んでいる手を蹴る



バシィッ!!!




「!?」




「!」




黒崎と恋次が目を見開いた




「な...何するんだ
ル...」




「...人間の分際で...
兄様の裾を掴むとは何事か!
身の程を知れ!
小僧!」




ルキアは黒崎を睨みつけた




「...な...?」




「参りましょう
兄様!
今の此奴の行動で
この朽木ルキア目が覚めました!!
どうぞ私を尸魂界へと
お連れ下さい!
慎んで我が身の罪を償いましょう!」





「ま...て
コラ...
何言ってんだよ
ルキア...てめえ...ッ」





黒崎は動かない体を動かそうとしている




ドンッ!!




「う」




恋次が黒崎の背を踏んだ




「往生義の悪ィ
野郎だな
ジタバタしてねーで
てめーはここで
大人しく死ねよ」




「...この者には
わざわざ止めを刺すことも
ありますまい
捨て置いてもいずれこのまま
息絶えましょう
参りましょう兄様」





「...待てよルキア!
何のジョークだよ...!
こっち見ろよ
オイッ!」




ルキアは何も答えない




「オイ...ッ」




黒崎が動こうとした瞬間





「動くな!!」




と静止の怒鳴り声が響いた




「...そこを一歩でも
動いてみろ...!
私を追ってなど来てみろ」




ルキアは振り向いて、黒崎を見下ろした




「私は貴様を
絶対に許さぬ...!」




その表情はとても辛そうだった




それに...涙も浮かべていた...




「いずれ死ぬ命
そこに伏して一瞬でも
永らえるがいい」




ザァァァァァァ...




雨が降ってきた




「...よかろう
その者には
止めは刺すまい
先程のニ撃で魂魄の急所
“鎖結”と“魄睡”を
完全に砕いた
その者は半刻もせぬ内に
死ぬだろう
仮に生き永らえたとしても
力の全ては失われる
死神の力はおろか
霊力の欠片さえ残るまい
恋次」





「はい」





恋次は前に出て




刀を前に出し、ズルッと歪んだ空間に




刀を突き刺し、鍵を回すように刀を捻った




「解錠!」




ガキンッ!!




キ ン...




ガラァァァァァァ...




襖が現れ、中から地獄蝶が4匹出てきた




恋次は刀を鞘に収める




恋次が前に足を踏み出した




満月はまだ黒崎の傍にいる




白哉が中に入った




その瞬間、満月が行動に入った




黒崎の隣に立って、ボソッと呟く




『...今は...堪えてくれ...
黒崎一護......もう一度
力をつけて、戻ってくるのだぞ......』




「!」



ザ...ッ




満月は足を進めた




地獄蝶が満月の横へと飛んで来る




そしてそのまま襖の向こうへと入った




その後、ルキアが足を進め




襖の向こうで、少し黒崎に目線を移した時




襖がピシャリと閉まった




「(声が出ねぇ
動けねぇ
どうしてだ
俺はまた
護られた―――――――...!)
ぁああああああああ
あああああああ!!!!!!!!」





襖はゆっくりと姿を消した...






























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