お題

□笑顔も涙も見つめてきたよ
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いつからだろうか、彼を目で追うようになったのは。
確かに教団に入って初めて知り合ったから、余計に興味があったのかもしれない。
誰に対しても優しくて、自己犠牲すら厭わない戦いぶりに疑問を抱いたこともあった。
名前すら知らない赤の他人に何でそこまで一生懸命になれるのかと。
ぶっちゃけ世界の終焉とか暗黒の三日間の再来とかどうでもよかった。
あたしにとって重要なのは毎日同じことを繰り返し、平穏に暮らせるかどうか。
なのに彼はあたしの常識をいとも簡単に覆したのだ。
戦うことが僕の運命だと切なく微笑む彼。
敵であるアクマやノアの一族でさえ包み込んでしまう神々しいオーラに惹きつけられたんだ。
そんな優しさがいつか粉雪ように融けてなくなってしまうんじゃないかと恐怖した。
だからあたしは少しでも彼の力になれるのなら、盾にだってなれる。



笑顔も涙も見つめてきたよ
(だから笑って?)



お題配布元:確かに恋だった
届かないあなたへ7題

2012.6.6


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