血液は、全身を巡る(仮)

□さん、夢なら醒めて
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さん、夢なら醒めて
注!結構なガッツリエロ描写!

 今日はなんて日だ!とある芸人がよく言ってるやつ。現実なの?これ?

 最近、よく漫画とかで流行ってる異世界に飛ばされて私、最強です!みたいな感じのやつ?いや、普通に考えて頭おかしいから。
てか私って誘拐されたんじゃ…どういうこと?人質?

 いや、きっとこれは悪い夢なんだと無理矢理自分を納得させた。

 しかし、その願いは、大柄な赤い髪のオジサマに打ち砕かれることになる。
オジサマは私の襟元から覗く胸の谷間を指差してこう言った。

 「お前の心臓は神の結晶、イノセンスが寄生している。お前は体そのものが対アクマ武器だ」

 え?何言ってんのこの人。武器!?

 「それで、そのたいあくまぶき?っていうものは何の為のもの何ですか?」

 「対アクマ武器は世界の終焉を阻止するための唯一の手段だ。」

 世界の終焉?核戦争でも起きるのかな?

 私の訝しげな表情に気づいたオジサマは、この世界のこと、敵である千年伯爵とノアの一族、対アクマ武器を扱える唯一の人間であるエクソシストのこと、イノセンスのことを色々説明してくれた。

 「…というわけだ。」

 よく分かんないけど、私がとんでもない世界に来てしまったことは、胸に刻まれた十字架のような切り傷が証明していた。切り傷のようだが触っても全く痛みは感じない。

 「へんなの。でも全然違和感はないの。」

 窓ガラスに自分の胸元が写り、不気味で奇怪な十字架が妖しく煌めいているようにみえた。

 「これじゃウエディングドレス、着れないなぁ」

 ポツリと呟いた場違い私の言葉が木霊しているように聞こえて、今まで生きていた現実から乖離しすぎていて、現状を受け止めきれなかった。

 もう涙が止まらなかった。これは悪い夢であって、眠って、目が覚めれば元の日常に戻れると、酒でも呑めば忘れられると、もう妄信的に願わずにはいられなかった。

 「あの、お酒はありますか?」

 「ダメだ。今の体でアルコールの代謝は負担がデカすぎる」

 「私の夢の中なら、何で思いどおりにならないの?!」と私は半狂乱じみながらオジサマに掴みかかり、彼の手のひらを自分の乳房にあてがった。

 「ねぇ!私のおっぱい変になっちゃったのよ!どうしてくれるの!?こんな気持ち悪いものぶら下げてなにが神様よ!こんなんじゃ…こんなんじゃ…!」

 なぜ、こんなことしてるんだろう?自分でも歯止めがきかなった。また、涙が流れた。

 「こんなに綺麗な肌、いい女に決まってるじゃねぇか」とキザなセリフで私の顎を指で掬って唇を寄せた。
いつも私の吸ってる煙草とは違って、苦くて香ばしくて、深みのある芳醇な香りが鼻を抜けた。


!次のページから性的描写あり!
苦手な方は次の章へお願いします。
(お話に影響はありません。)
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