短編小説

□鴉映え
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「…っ…、んー!!ん、んんんーっ!!!」

 断続的に響くバイブの音が部屋を満たし、土方は腰を揺らすが、それが淫猥に乱れているのか、快感から逃れようとしているのかはわからない。 その度に金属音を鳴らす鎖で戒められた手は上方へと移動させられため、腕が無理に曲がっている。

 舌を噛みきろうとした土方は再び猿轡で声を殺され、目を覆う包帯も変わらない。
 しかし轡の端からは涎が垂れ、包帯は涙で肌に張り付いている。

「んんん!んーっ!!」
「うるせェ…」

 カン、と高い音を立てて高杉が煙管から灰を落とし、ゆっくりと土方へ歩み寄る。

 ずり落ちた着流しは、完全に脱げることはなく、バイブを埋め込まれた下半身も、その薄布を隔てて見ることはできない。

「どうした副長さんよ、…喘いでるのか?」
「んーっ!!!」

 膝で股間を押し上げてやると、轡により声は出きないが、かといって唇を噛み声を抑えることも叶わない土方が首を振りった。

「おらどうした。涎垂れ流して、…後ろのバイブが気に入ったか?それとも」

 着流しの前を割り土方の反った自身を取り出すと、細いバイブが差し込まれた先端が露わになった。

「…こっちかよ?」
「んん、ん、んっー!」
「美味そうに咥えて、後ろももう一本くれえ入るか」

 ずぷずぷ後孔のバイブを動かすと、一際大きく土方が鳴く。その声が聞きたくなり高杉は轡に手をかけた。

「…っあ…?」
「サボんじゃねえよ。喘げや」
「やァーっ!!!ああ、あ、ひやァ、あああ」
「見えねェと、視覚のある時よりずっと気持ちいいっつうが、…どうだよ?涙流すほど良いのか?それとも嫌でたまんねぇか」

 どっちにしろ燃えるがなァ、と耳を舐めて言う。電動バイブを動かす手もそのままに、耳朶を中心にじわじわと範囲を広げ、瞼の上をなぞる。

「やだァァ!!さわんな!さわんなァァ!」
「触って欲しくてたまんねえくせに、そんなことしか言えねえんじゃ、銀時だって気づきゃしねぇな」
「な、で…ひやァァァア!!!」
「…てめぇ銀時に抱かれてェんだろ?いっつもナニ考えて銀時見てたんだよ」
「ちが、う、ちがァ…!」
「知ってるぜェ…?てめえがどんなに浅ましいかを。女買うにも銀時とおんなじ店選んで、あわよくば銀時の抱いた女を抱こうと…銀時と間接的にでも性交しようって腹なこともな」
「ちが、ァァあっ!」

 尿道バイブも動かし、前と後ろを同時に刺激してやると、土方の体ががくがくと揺れた。

「……土方ァ」
「ァ、ふあああ!やめ、ろォ!も、ひゃァああ!」
「銀時は、オレを抱いたぜ?」
「やめろ、う、っくァ、あっ!」
「てめえには見向きもしねぇのにな。…くく。あいつァめんどくせえことは嫌ェだから、後ろ開発してオナニーでもしてたら、突っ込んでくれんじゃねえか…」
「ひ、ぅぅ、あああっ、ちが、ちがうっ」

 土方は肩を一層揺らめかせて、しゃくりを上げて泣いていた。
 それを見た高杉は唇を歪めて笑う。

「いいぜ…、オレを銀時だと思って抱かれてろよ」
「ひゥ…いやだァ!!」
「銀時って呼んでみろや」
「やだ…、あ、ァひ」
「……それなら仕方ねぇ」

 高杉は徐に煙管を拾い上げると、火を点けて煙を肺まで流し込む。
 突如手放されて、後ろに収まっていたバイブは落ちて床で唸り、尿道バイブも先端でぴくぴくと危なげなバランスを保つ。

「う……くぅ」

 先程まで嫌というほど与えられていた快感が遠ざかり、さらに尿道バイブで空イキはしても射精を許されなかった土方は、無意識に脚を擦りあわせた。

「ん…、ふ」
「くくく、…淫乱な牝犬が」

 じゅう、と熱された煙管を土方の自身に当てると、薄い皮膚が真っ赤に焼ける。

「ひああああああ!!!」

 尿道バイブが落ちて、精液が床を汚した。

「…痛いのが好きか?」
「っく、…ぅ…っく」
「言えよ、楽になんぜェ…?気持ちいい、ってよ。銀時、って」
「ぅぅ、あ…やだ…も、殺せ…ひっ」
「後ろはずっとひくついてんぜ?指に絡みついてくる…」
「ひ、ひあ、ぁぁ、やめ、奥は、ぁああっ」
「奥ねェ」
「いやああああ!!!あっ、あっ、やだ、そこはっ」

 指を二本挿入し前立腺を挟みこむようにごりごり擦ると面白いほど土方の体が跳ね、孔が収斂しもっともっとと涎を流す。

「何が嫌だって?」
「ゆびィ、やめ、あああっ、抜けえええ!なか、こわれるっ…!!!」
「…名前呼べや」

 孔を拡張するように指で掻き乱すと、息を荒げた土方の喉が震えた。

「ぎん…っ!」

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