リクエスト小説
□花殻
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訴えるような口振りの土方くんに、オレはにっこりと笑って、弱い所を突いてやる。土方くんはひゅっと白濁を吐き出す。ほぼ同時にオレも達して中へと大量の精液を注いだ。孕まないってつくづく便利。
「そういうのは、恋人に言いな」
甘く低く囁くと、土方くんはへな、とその場にへたりこんだ。
「んじゃー、今日もありがとー」
「よろずや…」
「今までお世話になりました。じゃーね」
「待、っ」
でろでろな格好の土方くんがあまりに可哀想だったから、一応汚さないように除けておいた隊服の上着をかけてやる。
「お前はもう潮時だわ」
「…っ、よろずや…」
「それとも好きって冗談?」
自分でもわかるほど冷酷な笑みが顔中に溢れていて、泣きそうだった土方は目を瞑った。
「すきなわけねェ…」
「そ?じゃあヤッてる最中のテンション?」
「そ、だよ…」
目を頑なに閉じたまま小刻みに震えて。うん。この自制心があればまだいいかな。
「ふーん、なんだ。そうだよね。んじゃまた連絡すんねー」
「っ、これからは、昼にしろ…っ」
「はいはーいまたねー」
土方くんを置いて路地から出ると、地味な男とぶつかった。
「!万事屋の旦那…!」
「…地味?」
「あんたまさか…!」
「ああ、ジミーかジミー。……最近つけてきてたの、お前?」
「!?」
驚いてるジミーくんの肩を抱いて、耳元に唇を寄せてぺろりと舐めた。
「興味あるならヤってあげよっか?」
「…!」
「わは、じょーだんだよ。オレ面食いだし」
ぱ、と手を離して、ぽんぽんと肩を叩くと、ジミーくんが地味キャラらしからぬ目つきでオレを睨んだ。
「あんた…副長に」
「なに誤解してんのか知らないけど、土方くんも割り切ってるヨ?オレのこと好きじゃないってさ」
にいいっこり笑ってみせる。嘘言ってねえよ?
「賞味期限の改ざんぽいけどね」
喰えるまでは喰わなきゃ、もったいないじゃねーの。
ジミーがすげえ悔しそうに拳を握って、でももう何も言わないからオレもその場を離れた。
真っ黒なもう一人のオレがまた疼いたから、今度はやわらかい女の子にしよ、と街へ向かって。
了
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