リクエスト小説

□勇者の父親になるにはとりあえずビアンカ嫁にしろ
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 壁際に背を預けて土方は白血球王とキスを交わした。二度目のキスは徐々に深さを増して、舌が互いの唾液を分け合うように行き交う。上顎を掠められてひくりと体を揺らした土方を追い立てるように、白血球王は舌を噛み、吸う。

「……ふ、」

 やわやわと与えられるじんわりした刺激に土方の腰から力が抜けるような快感が走る。ずるずると壁伝いに下がる体を白血球王に支えられて、土方もその胸を掴みながら何度も角度を変えてキスを続けた。
 最初のキスよりずっと深いはずなのに、このキスに土方は罪悪感を感じなかった。

 最後に白血球王が土方の下唇を甘噛みして唇を離す。唾液が糸になってぷつんと途切れると、土方の羽織ったマントを白血球王が落とした。

「…綺麗な肌だ」
「刀傷、だらけだろ」
「そんなの問題じゃない」

 オイルのぬるりとした感触を残す胸板を白血球王がするりと撫でる。

「っ…、」

 手袋を外したほうの手で脇腹から胸へと撫で上げて、もう片方で土方の腕を掴み自分の肩にまわすように誘うと土方は素直に両腕を白血球王の肩に乗せた。
 白血球王の掌が胸の突起にまで上ると土方の息が途端に荒くなる。

「ん、くっ…」

 白血球王はそれに笑みを浮かべる。

「敏感だな…」

 耳元で低く囁かれて土方はくう、と息を止める。乳輪から焦らすように円を描いて愛撫をすれば息を震わす。辿り着いた突起を押すと、既に芯を持ったそこはこりゅ、と軽い抵抗を表して潰れる。

「うくっ……ァ」

 白血球王がさらに人差し指と中指で突起を挟み込み力をいれて擦るとぴくぴく土方は跳ねた。

「もう勃っているのか…?」

 触れ方は銀時よりずっと優しいが、土方の自身は勃ち上がりかけてズボンを押し上げている。それを白血球王が寛げてやった直後、土方の背にしたのとは反対側の馬車の壁が、破壊音と共に崩れ落ちた。

 粉塵に交えて見え隠れするのは銀糸の髪。

「おおーい、お前ェら」

 抱き合うふたりを射竦めるような視線を向けて銀時が立っていた。

「いーい度胸してんじゃねえの。銀さん滝壺に落としといてテメェらは乳繰りあいってか」

 ぎし、と馬車へ上がった銀時は二人へと歩み寄る。

「よ、ろず…」

 銀時が土方を睨むと、土方は白血球王にまわしていた腕を離した。

「初対面なのにいきなりエッチだなんて、破廉恥すぎて銀さんついていけなァい。…なァ、土方。お前抱いてくれりゃーなーんでも良いわけ?」
「やめろ、責めるならオレを責めろ。これは」
「うっせーな。オレァ怒ってんだよ」

 銀時はぐい、と白血球王の肩を引くとそのまま床に押し倒す。強引なその行為にも眉ひとつ動かさず白血球王はされるがままにされた。

「なんっでてめぇと土方のエロシーンなんざ拝まにゃなんねーんだよ。まっぴらごめんだそんなん。…何?お前が強姦したならお前をぶっ飛ばしゃあいいわけ…」
「いい加減にしろ!」

 白血球王はのしかかった銀時に頭突きをすると、弛んだ腕から逃れた。

「いって〜…脳細胞死んだらどうしてくれんだコラァ!」
「貴様の脳細胞など既に死滅しておるわァ!」
「んだとゴルァ!銀さんの中の人だって一所懸命生きてんだよ!」
「成人しても自らの体内を擬人化するなど笑止!」
「擬人化された本人が言ってんじゃねえよ!」

 互いに胸ぐらを掴み睨み合う二人を見比べて、土方はどうしたものかと考える。見れば見るほど生き写しのこの二人。似ているからこそそりが合わないのかメンチの切り合いを止めようともしない。

「万事屋」

 ほとんど裸で腰の砕けたまま、けれど何か説明しなくてはとした土方を、銀時は一瞥するだけで黙らせた。もとより何を言えばいいのか分かってなどいなかった土方は簡単に言葉に詰まる。

「言い訳しねーの?」
「…言い訳も、何も、これはコピー、取るためで」

 何を言うのも胃が重い。白血球王を極力見ないようにして切れ切れに言った土方に、状況を察したらしい銀時はほんの僅か怒りを鎮めた。

「…で、それはあれ?突っ込んで中出ししねーとダメ的な?」

 音がしそうなほど急激に頬の色を変えた土方の代わりに白血球王が肯定する。
 しばし思案した銀時は床に座り込んでしまいそうな土方の腕を掴んで立たせると、白血球王の前まで連れて行く。

「銀さんの顔見てんなら、ヤってもいーよ」
「顔…?」
「挿れるとき、オレを見てろ」

 意味を計りかねる土方が横目に白血球王を見ると、こちらは了解した様子で切なげな笑みすら浮かべそうな表情でいた。

「銀さんも溜まってたし?どうせなら3Pで」

 やけに楽しそうな銀時の声音が逆に怖いと、土方は背筋を凍らせた。
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