裏パラ
□微熱と抱擁
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磨かれた珠玉を思わせる、見開かれた綺麗なオッドアイが映し出したものは。
上半身に何もつけていない千種の膝の上に、上気した頬と潤んだ瞳をした綱吉が跨っている衝撃映像。
しかも甘い雰囲気を醸し出している二人は、濃厚な口付けに加えて、今まさに愛を育む行為を行わんとしているご様子。
「「「…………」」」
ドサリ…、
シンとした空気の中、蒼ざめた骸様の手から、スーパーの袋が滑り落ちた。
「たっらいま〜!!んあ?何かうさぎちゃんの匂いがするびょん???もしかして、柿ピのお見舞いに…」
と、ショックでドアの前から動けなくなった骸の脇から、犬がひょっこり顔を出す。
「……、お帰り、犬」
「えと…お邪魔してます;」
何かを諦めたように溜め息をつく、比較的冷静な千種と、挨拶とは裏腹に動揺しまくりな綱吉。
うん、もう何て言っていいか…現場に踏み込まれて、まずリアクションに困るよね;
「………!!!???ぎゃ―――ッッ!!!!!何やってんらよ!!!!!!!!!!」
未だに抱き合う二人の姿に、ちょっとだけキョトンとした後、あらん限りの大声で叫び出す犬。
まだまだそういう性的なことに関しては、純な彼には少々刺激が強すぎたのか、真っ赤な顔で慌てている。
ちなみに骸様は、現実が処理出来ないのか茫然自失で魂の抜け殻状態。←相当のダメージ
あーあ…骸様、犬ちゃん、心中お察しいたします;(合掌)
数時間後、何とか容態を持ち直した骸様により、ベッドの上で正座をさせられた二人は事細かに事情聴取。
その間、骸様は話を聞いては『破廉恥です!!ああ、僕の清らかな綱吉君が!!!!!』『何故千種なんですか!!!』『千種、僕は認めませんからね!!!』とか、ハンカチを噛み締め涙ながらに抗議していた。
この件をきっかけに、二人の交際の話は一気に周囲へと広がり、綱吉に恋する男達の怒りで危うく地球規模の抗争が起こりかけたとか何とか。
おかげで、二人の恋路を邪魔する諦めの悪い連中のせいで、なかなか愛し合う時間が取れなくなった…らしい。
でも、そんな障害もモノともしない二人の絆は日々深くなる一方で、当てられる周囲の方がヤキモキさせられる結果となったとさ。
end
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