土沖

□大好きなあなたへ
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「土方さん、喜んでくれるかな?」

いつもは素直じゃない総悟も、今日だけは素直になろうと決めマヨポッキーを綺麗にラッピングし懐に忍ばせ土方の部屋に向かった。



「では失礼しました」

土方の部屋の前に行くと山崎が調度、ペコリと頭を下げ土方の部屋から出てきた。

嫌な予感がする…。沖田はそう思いながら土方の部屋に入って行った。

「土方さん、あのッ…」

「総悟。いいとこに来たな?一緒にこれ食おうぜ」

懐に入れていたマヨポッキーを取り出そうとすると土方が機嫌よさげに箱菓子を総悟に見せた。

「あ‥、それ…」
土方が持っていた箱菓子とは総悟がプレゼントしようと思っていたマヨポッキー。

「それ、どうしたんですか」

「あぁ、これか?山崎にマヨネーズの買い出しに行かせたらマヨのおまけに付いてきたんだとよ」

マヨポッキーを見てニヤニヤしながら土方が答えた。

おまけなんてそれは絶対にありえない。だって…マヨポッキーは限定発売で必死に並んでやっと手に入れることが出来たのに…。


「総悟…どうした?」

「それ‥本当に食べるんですかィ?」

「当たり前だろ」

土方がそう言うと総悟の胸がズキリと痛み、同時に嫉妬心が溢れ出てきた。

「土方さん、それ俺に下せェ」

総悟の言葉に土方は何を馬鹿なことを言ってるんだと言う顔をした。

「ねぇ、頂戴。土方さん」

総悟がマヨポッキーに手を伸ばし取り上げようとすると土方がガツンと総悟の頭を殴った。


「何でテメーの俺の好物をやんなきゃいけねぇんだよ」

「だって‥」

「だって?何だよ」

「一一ッ!!土方さんのバカヤロー。鈍感!ヘタレ!」

「誰がヘタレだ!!‥痛ッ」

総悟は手当たり次第に物を投げ付けると涙を流しながら部屋を後にした。





「ったく、何なんだよアイツ…」

総悟が怒った理由が分からず散らかった部屋を見回すと一つだけ不自然なほど綺麗にラッピングされた箱が目についた。


こんなもの俺の部屋にあったか?と土方は眉を寄せながらその箱を手に取った。それと同時に箱から紙切れが一枚、ヒラリと落ちてきた。
何だろうと思いそれを手に取ると、そこに書いてある文字を読み上げた途端、その箱とマヨポッキーの箱を持ち部屋を飛び出していった。




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