FE短編BL

□やっぱ恋だな!
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『そりゃ恋だな!』の続き。



++++++



街へ買い物に出たら、占い爺さんからお互い愛し合ってるなんて言われたエフラムとリーフ。
帰ってからもその事で妙に意識してしまい喧嘩を繰り返す毎日だ。

……いや、喧嘩を繰り返すのは以前からお決まりの恒例行事なのだが。

真冬のスマブラ界、ピーチ城の庭は久々の雪で一面の銀世界になっていた。
折角だからと庭に出てハシャぐファイター達の中に当然彼らの姿も。


「リーフ! いま雪玉ぶつけたのお前だろう!」

「あ、ごめーん。白くて団子みたいだったから雪だるまかと思ったー」

「俺は断じて白くも団子でもない!」


それを周りでニヤニヤ……ではなく微笑ましく見守っているのが、前回、
占い爺さんを買収して二人のゴールインを画策したファイター達である。

喧嘩ばかりのエフラムとリーフはきっとお互い好き合っているのだと、物凄ーく勝手に解釈し、
好き放題二人をくっ付けようとしているのだった。


「おーい、お前ら雪合戦に参加しねえかー?」

「いいぞヘクトル、望む所だ。戦法が何であれ、俺は勝ってみせる!」

「全く子供っぽいなあエフラムは。たかが雪合戦に熱くなって」


言いながらリーフは雪玉を作っている最中。
言葉にも行動にもイラっと来たらしいエフラムは、素早く雪玉を作り上げリーフ目掛けて投げる。
雪玉はリーフの横顔に見事命中してしまった。


「……」

「勝つ自信が無いなら引っ込んでいろ、勝負の邪魔になるからな」

「だ、れ、が! お前に勝つ自信が無いって!?
望むところだ、僕も雪合戦に参加するよ!」

「恥をかくだけだぞ」

「その言葉、そっくりそのまま返すね!」


また喧嘩を始めた二人をニヤニヤ……ではなく微笑ましく見守るファイター達だった……。

数人ずつチームに分かれて雪で防波堤を作り、その後ろから相手目掛けて雪玉を投げて勝負する。
ぶっちゃけ明確な勝ち負けなど無く、ただ大騒ぎ出来ればそれでいい。
勝ち負けにこだわるファイターは各自でルールを決めて勝負していた。

そして雪で作られた防波堤の一つ、雪の壁の後ろで不機嫌そうな表情を浮かべているのは彼らだ。
当たり前にエフラムとリーフで、強制的にペア決めされてやる気は出ない。


「大体エフラムがさ、普段から乱闘の時に僕とペアを組みたがるから周りに誤解されるんだろ!?」

「また何でも俺のせいにするのか! じゃあなぜ拒否しない? 溜め息を吐くばっかりで拒否の言葉など聞いた事がないぞ」

「……その溜め息で嫌がってるって分かってよ」

「そんなこと知るか、そんなに嫌なら次からキッパリ拒否するんだな」

「はいはい分かりましたよ僕が悪いですよ、拒否しますから僕と君は金輪際関わらないって事でOKなんですね!」

「だが断る!」

「こっちだって!」



…………。



話の流れはいつも通りだった筈なのに、勢いに任せて放った最後部分が明らかにいつもと違った。

思えば二人は普段から喧嘩して罵り合ってはいるものの、離れる事に関しては言った事が無い。
言ったとしても、どっか行けなど相手に遠ざかってくれと願うばかりで、
自分から離れると宣言して実行した事は無かった。

今リーフが会話の最後に拒否するだの金輪際関わらないだの言ったのが、
二人にとって初めて自分から遠ざかる発言だった。
そしてそれを聞いたエフラムは断固拒否し、リーフもそれに同意した。

きっと今までお互いに思っていたのだろう、相手はきっと離れたりしない、
自分から遠ざからない限り関係は変わらないと。
だから安心して相手に離れろと言うばかりで、自分から離れたりしなかった。

お互い余計な事に気付いてしまったとばかりに顔面蒼白になる二人。
だが確かにこの関係が消滅してしまう事を考えると、じんわり胸が痛むような嫌な気持ちになる。
周りで大騒ぎするファイター達の声がやけに遠く聞こえ、辺りが静まり返ったようにも感じて……。


「えーい!」

「ぶっ!!」


……雪玉が二人めがけて飛んで来て、モロに直撃してしまった。
そちらを見ればカービィが楽しそうに雪玉を手にしていて、隣にはロイの姿も見受けられる。


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