☆SHORT STORY☆
□☆ゆうれい
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☆ゆ〜れい
疲れているはずなのに、なんだか不意に目がさめた。
悪い夢を見た記憶もない。
まだ時間は夜でも朝でもない時間。
かたわらには、すこし背を丸め、横顔を見せ眠るゆみこがいる。
えくぼのある頬を上に見せて。
胸が上下している。
ゆっくりと。
大きく。
思わず、手を伸ばしそうになって、慌てて止める。
でも。。
やはり我慢できなくて。
指の先で、そっと柔らかいえくぼにだけふれた。
ほんの一瞬。
ゆみこがかすかにまぶたを動かす。
あ、。
でもまた呼吸はすぐに元に戻った。
よかった。。
ここなら?
触っても大丈夫?
前髪をそっとかきあげた。
穏やかなゆみこの寝顔。
胸の奥に、暖かいものがゆっくりと広がった。
幸せなのに、なぜか、泣きたくなった。
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