☆SHORT STORY☆
□☆ひそかな戦い
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☆ひそかな戦い
昨日、打ち上げから帰る時から、
なんだかご機嫌が悪いなーと思っていたけれど、
私は私で、GUYSメンバーもいたし、
ゆみこはゆみこで、事務所の人もいたから、
そんなことを尋ねる間はなくて。
大阪なので、ゆみこは実家に帰るから、夜も別々で、
結局、どうしてなのかを聞くことはできなかった。
今日はふたりで、大劇場に行く。
待ち合わせ場所に来たゆみこも
やはりどこか他人行儀なしゃべり方で。
態度もどこかよそよそしい。
ストレートに聞くのが、なんだかできなくて。
「ゆみこ、体調悪いの?」
間接的に聞いてみる。
「いえ、べつに。」
「だって、なんだかいつもと違う。」
「そーですか?昨日母と話し込んじゃって、眠いから、。」
「そーなんだ。ちょっと久しぶり?」
「え、まぁ。VV以来かな。」
迎えの車が来たので、ふたりで、後部座席に乗り込む。
車が走り出して、風景が流れ始める。
「眠いから、だけ?」
「…。」
聞こえているはずなのに、前を向いたままで返事はない。
あーもう、らちがあかない。
「なんか、怒ってる?」
「おこって、なんか。。。ない。」
口調だってぶっきらぼうなのに、答えはNOだっていう。
「だって、いつものゆみこじゃない。」
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