☆SHORT STORY☆

□☆イヤリング
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☆イヤリング


ハマコが忙しく働いているから、二人きりの千秋楽の楽屋。

全国ツアーだけれど、梅田なので、地方のすぐの楽屋出の慌ただしさはなく、

楽だけれど少しのんびりと過ごしていた。

着替え終わって荷物を片付けていたゆみこが、近づいてきた。


「チカさん、あの〜これ、ありがとうございました。」

「あ〜イヤリング。」


手の平に載せているのは、お稽古中に貸したイヤリング。

耳にそったスワロのクリスタルのラインの回りを囲むようにブラックオニキスのラインが並び

下には長さの違う2本のオニキスのラインが揺れる。

ラインの先端には大きめのティアドロップ型のオーロラジェットのスワロ。

流れるようなデザインに一目で惹かれて手に入れたものに

ちょっと手を加えて貰った。




アクセサリーで悩んでいたゆみこに

休憩中のお稽古場でさりげなく差し出した。

「これ、つけて。」

「わぁ〜チカさん、キレイ〜!」

「ほんと?そう思う?」

「うん、めちゃめちゃステキ〜。」

うっとりとした瞳でイヤリングを見つめてる。


「借りても、、いいん?」

「私ももう片方、つけるから。」

私の言葉に、ゆみこが驚いて一瞬目を見張った。

そして大丈夫なん?って目と眉で聞いてくる。

うん、と、優しく笑って、大丈夫と私も目で答えた。

お稽古場の片隅でさりげなくふたりで見つめあい、ほほ笑みあった。




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